□イベント感想□

□薄桜鬼アンソロジー原稿
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我が奪い、壊した儚き懇願
一線の涙を伝わらせるその瞳は我をどう思うのだろうか
千鶴:・・・っ
風間:・・・・・・・・。
二人の間に流れる沈黙

既に消え、灰となった亡き養父(ちち)をその小さな手のひらで力一杯握りしめて
慰めなどいらぬ
我は、鬼として、鬼から外れたものを葬った
当然の行動をしたまで
けれども、今まで己の本来の姿も知らず
今、戸惑い焦るあの女にとっては
非情としか言えぬ行動
千鶴:・・・・・風間さん
千鶴:・・・・どうして父様は
千鶴:・・・・どうして、どうして、あんなことを
その細く白い喉から、まるで絞められたかのように出てくるよわよわしい言葉
風間:・・・・あいつの弱さを、人間に利用されただけだ
哀しみに暮れる女にこれ以上、傷を与えても何にもならぬと知って
それしかいえぬ自分が
妙にもどかしく思えた。
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