純情エゴイスト
□隠し事。
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「ただいま〜」
夕焼けが空を覆う頃、上條は仕事を終え、何時もの様に帰ってきた。
と、その途端・・・
「ヒロさあぁぁあん!!!!」
「んがっ!!の、野分!?どうしたっっ」
いきなり部屋の奥から野分が物凄い勢いで駆け込んできて、上條に抱きついたのだ。
上條は、いきなりの事に目を見開く。
しかし、そんな上條を他所に野分は弾んだ声で上條に話しかける。
「ヒロさん、俺、メチャクチャ嬉しいです!!」
「だ、だから何がだ!!意味通じてないぞ!!」
上條が理由を問おうとしても、野分の口からは御礼の言葉しか出てこない。
流石の上條もこれには頭に来た。
野分の腕を力強く掴み、部屋のソファに座らせ、目の前に仁王立ちになる。
「さっきから何だ?理由を述べよ!!」
「え、いや・・・その・・・」
上條が野分に理由を求めた途端、野分は急に口篭ってしまう。
さっきまでの反応との差に、上條は感ずく。
「お前、何か隠してんな・・・・・・?」
案の定、野分の顔には驚きの表情が浮かんでいる。
上條は口の端を片方上げ、野分を見下した。
「理由を言うまで、お前とは一切関わってやらねぇ〜からな!!!」
「うわっ!!スミマセン!!それだけは・・・」
野分は、上條の腕を掴み懇願する。
分かりやすいな・・・
改めて感じた上條だった・・・・・・
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