コラボ
□La nostra storia
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「先パイ、お疲れ様ぁ〜。」
平凡なある高校。
夕暮れの空の下、部活帰りの生徒達が校門から次から次へとでていく。
そのなか、一人の生徒がある生徒に声をかけた。
「お前・・・まだいたのか?帰宅部だろ?」
「"お前"じゃねぇ、鈴原 克也だっていってるだろ?」
そう答える克也は、黒髪を風になびかせ、その細い瞳で目の前の先輩に笑いかけた。
克也より頭一つ分くらい低い位置にある髪は茶色がかっていた。
「で?何のようだ。」
「え?一緒に帰りたいと思ったんで♪」
「ば!馬鹿だろお前!!」
「いいだろ〜恭悟先パイっ!」
恭悟、と呼ばれた生徒は、自分の上に倒れこんでくる克也をうっとうしげに払った。
しかし、恭悟より大きい克也は、そんなことでは少しも動かない。
住んでいるところが近いというだけで、克也は帰宅部なのにも関わらず、ずっと校門で恭悟を待っているのだ。
何度もそんなことを繰り返すうちに、恭悟への、克也の敬語も消えた。
「チッ、早く帰るぞ!!」
「あ、先パイ!勉強わかんねぇとこあんだ。教えてくれね?」
「は?イヤだ。そんな頼み方で誰が受け入れるか。頭下げな。」
「何様!この人何様!?」
「何様俺様渚様」
そんな会話も、何度も繰り返した。
克也はいつも楽しそうに、恭悟と話すのだ。
そんな姿をみて、「可愛い」と思うのも、また事実で・・・――
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