純情エゴイスト
□隠し事。
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(見つけてしまった・・・)
それは、野分が一人マンションでのんびりしていた時の事。
野分は、とうとう見つけてしまったのだ。
(いつもいつも、パソコン向かって何やってるのかと思ったら・・・)
そう、野分は上條の秘密を見つけてしまったのだ。
悪いと思いながらも、衝動的に上條のパソコンを開き、その履歴を探ってしまったのだ。
すると案の定、その秘密は見つかったのだ。
「まさかヒロさんが、ブログやってたなんてな・・・」
そう、それは、上條のブログ。
書かれている記事から見て、確実に上條のものだと分かる。
そこには、野分自身も知らない上條の本音が連なって書かれていた。
野分は、真剣にその記事を読み上げていく。
「ヒロさん、苦労人だな・・・」
教授の事、あの宇佐見さんの事、愚痴としか見えない文字が目に飛び込んでくる。
野分は、顔を歪めた。
(俺には、何も言わないのに・・・)
ヒロさんの事は、何でも知ってるつもりだったんだけどな。
野分は、寂しそうに肩を竦めた。
(ん・・・?これって)
記事も後半に差し掛かってきた頃、野分は目を留める。
それは、上條の日常が書かれた文。
野分が、知っている日常の事。
(お、俺の事も書いてるの・・・?)
ここまで普通に読めたのに、急に読むのを躊躇していそうになった野分。
しかし、ここまで来て止めるわけにはいかない。
「ここまで来たら、読み上げよう」
野分は、意を決して下の文を目で追った。
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