純情エゴイスト
□会いたくて・・・
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俺は、とことん男運が無い奴だ・・・・
早朝、上條はいつものように大学に向かう。
いつもの部屋の前まで来る。
「お早うございます。上條で」
部屋を開けようとした瞬間、中から声が聞こえた。
教授と、これは・・・・
あぁ、“忍”と呼ばれていた男子高生か。
最近、毎日のようにこの時間に来る。
上條は、別に気にせず部屋に入る。
その瞬間
「何であんたはいつもそうなんだよ!!!」
忍と呼ばれていた男子は、声を荒げる。
上條がドアの前で唖然とすると、宮城が上條の存在に気がついた。
「かっみじょ〜!!という事だ、お前は帰れ」
「え、でも・・・」
「良いから。邪魔をするな」
忍は唇をきつく結び、ドアの前に立っている上條にぶつかって走っていく。
(あんたが居るから)
そんな事を言っていった気がする。
「ゴメンな上條〜あいつまた来やがった」
「別に良いですよ。でも良いんですか?あんな事いって・・・」
「・・・分かんねぇ・・・あいつの前だと強がってしまう」
上條が目を丸くすると、宮城は「なんてな」と笑ってみせた。
俺も、あいつの前だと強がってしまう