硝子玉〜新コラボ〜
□第2話
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―――急展開する物語。どこまでも下り坂。硝子玉はどこへ行く?
まぶたを開けた。
「・・・朝・・・」
カーテンの隙間から射す、朝の光。枕のすぐそばにある目覚まし時計で時間を確認する。
AM8:00
「やべッ!!学校!!」
毛布を引っぺがし上体を起こす。
そして、ピタリと動きをとめた。
「・・・今日、休むんだった。」
ぼふん、とベッドに倒れこむ。咲夜は昨日の出来事を思い出した。
父さんの死。
殺害。
裏社会。
華凰院。
裏の警察。
暗殺。
隠蔽。
「鬼」。
「ノア」。
『未来を視る』能力。
『華凰院家当主および「鬼」の統率者、「ノア」のトップになってもらいたい』。
「・・・悪夢だ・・・」
酷く頭が痛む。体がだるい。
紗代の声が扉の向こうから聞こえた。
「咲夜、おはよう。そろそろ起きなさい。」
「んー。」
紗代の声が遠ざかってゆく。
咲夜はその音を聞きながら起き上がり、藍色のジャージを着る。
カーテンを開けると昨日と同じ青空で、太陽が輝く空。
「まぶし・・・」
一言、つぶやき、一階のリビングへ向かった。
キッチンでは紗代が料理を作っていた。
紅の姿はない。
「おはよ。・・・紅サンは?」
「おはよう。紅君なら帰ったわ。でも、また別の「鬼」の方が来るそうよ」
「いつ?」
「10時ごろよ」
「・・・そっか」
あと二時間。
内容は昨日と同じこと。裏社会、殺害、統一者・・・。
また、ずきりと頭が痛んだ。
「おふろ、入っておいで」
「あぁ」
咲夜は風呂場へと、重い足を運んだ。