コラボ

□弘樹と野分の夏休み
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☆蝶羅の番☆

「ヒロさん、海行きましょう!!」



それは、唐突な誘いだった。

野分は、柔らかな笑みを浮かべながら上條に言った。

しかし、夏の暑さにやられかけている上條は、生返事を零した。


「・・・はぁ?」

「俺、病院の先輩から良い所教えてもらったんです!!綺麗で、澄んだ海の場所!!」

「だからって・・・こんな猛暑の中行く気か?」

上條は、汗を掻いてしっとりと湿ったシャツの首元に手をやりパタパタと仰ぐ。

しかし、暑いものは暑い。


「夏の楽しみじゃないですか!!!お願いします、一緒に行きましょう?」


野分が上目目線で上條に強請ってくる。

上條は、ぐっと息を呑んだ。


この時の野分は、子犬のように何処か可愛げがあるのだ。


上條は、目線を野分から逸らし、さらに激しく首元を扇いだ。

さっきまでとは違う、他の熱を体中に帯びるのを感じる。


「・・・しゃーないな。今回だけだからな」

「っっ!!!!ヒロさん、大好きです!!」

野分は、嬉しさのあまり上條に抱きついた。


「わっ、の、野分!!!暑いからっっ!!!!」




今までとは違う、今年の夏休みが始まる・・・








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