贈り物の部屋
□サナ様に送る
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「ヒロさん!!これ見てください!!!」
変哲の無い朝、野分は腕にダンボールを抱えて走ってきた。
「何した?・・・ダンボール箱?」
「はい、本の整理してたら見つけて・・・」
野分はダンボールを置き、ふたを開ける。そうすると、中から・・・
「・・・学ラン?」
中からは、綺麗に保存されている学ランが姿を現す。
「へぇ〜お前、学ランの学校だったんだ」
「はい。でもまさか残っているとは思いませんでしたが・・・」
上條はダンボールの中から学ランを取り出し、目の前で広げる。
丁寧に扱われていたのか、解れなどが目立たない。
(・・・こいつ、このときからこんな背でかかったのか・・・)
「ヒロさんは、学ランじゃなかったんですか?」
「あ、あぁ・・・違う・・・・」
今の自分とあまり変わりの無い大きさに、上條が独り項垂れていると、野分が声をかけた。
「ヒロさん」
耳元でささやかれ、目を細めると、野分はさらに笑みを含んだ声で続けた。
「ヒロさん、学ラン着てくれませんか?」
「・・・は?」
上條は呆然と野分を見た。
「俺、ヒロさんの学ラン姿見たいです!!」
「ば、馬鹿言うな!!!なな、何歳だと思って」
「良いから。こっち来て下さい♪」
「あ、いや早まるな!!ちょ、まてぇぇえ!!!」
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