大切な頂き物
□雨舘 颯様から
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痛々しい傷、
生々しい痛み。
恋だの愛だのを、下らないと想いながらも信じていた自分がいた。
信じていた･･･？
違う。
ただ、確証を欲っしていただけだ。
恋や愛の確証が欲しいから、捨てきれなかった。
確証さえあれば、君も他の子も同じ。
確証をくれる人なら誰でも良かった筈だ。
君に執着していたことに、気付かされなければ。
気付かされなければ、自分は自分勝手な甘えのままで生きていられただろう。
君が確証じゃない何かをくれたばかりに、すべてが狂った。
自分の中で、別れと云う言葉が凄烈な意味を持つ君の存在が恐怖になった。
自分自身が瓦解していくのが、始めは分かっていなかったから･･･余計に。
そして、昨日の君を思い出す。
あの時まではきちんと笑顔で記憶されている君を。
別れ間際の泣き出しそうな君の顔は、覚えていない。
覚えていれば、また傷がえぐられるから―――。
･･･end.