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□necessaire inutile
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*ご注意*
・参加型企画、petit Rock sugar 様への賛同作品となっております。
・企画の仕様上、小さい機体が出ます。
・腐ってはないです
・以上の点をご理解頂けましたら、問題のない方はスクロールしてお読み下さいませ。


















容量限界値までのリンク完了、動作確認、視覚確認よし、現在までに機体異常確認されず。
機体異常無し。誤差許容値。
本体駆動率、31パーセントダウン。





ラボの椅子に深く腰掛け、フラッシュマンがぐったりと機体をもたせかけていた。
落ちる駆動率にぼんやりと怠そうにしているが、しかし負荷軽減の為にスタンバイに
移ろうとはしない。数多のコードに塗れ機器類と繋がっている彼は、傍の台の
トレーを複雑な気持ちでただただ眺めていた。
白いラボ、白い台、それに乗る銀のトレーの上には、同じくコードに繋がった
小さな青い何か─────ミニチュアの、自分そっくりの機体────がいるからだ。
自身が浮かべるそれと全く同じ表情だろう、げんなりとした小さな顔は疲れて見える。
何で俺がこんなことせにゃならんのだ。
大小の青い機体が、全く同時に溜め息を吐いた。





necessaire inutile




「おいそこの変態オニイサマ今すぐ窓から飛び降りて砕け散って下さい頼むから」
「一息に言わないで! お兄ちゃん泣いちゃうんだから!」
半泣きで抱きついてこようとするのを足裏で防ぎながら、フラッシュマンは
作業台の上に作られたそれらを半ば怒り、半ば呆れの表情で見下ろしていた。
彼の視線の先、メタルマンが何かを作っていたその台に、ナンバーズのミニチュア
フィギュアのようなものが八体、整然と並んで立っているからだ。
装飾も色も顔立ちも、オリジナルをそのまま縮小したようなその小さなナンバーズは、
しかし今は眠っているように目を閉じただ立っている。一体だけが起動しているが、
その一体が浮かべる表情も、挙げ句何と他の機体と比べての些細な機体差までもが
繊細に再現されていた。
忠実すぎるそれに、フラッシュマンは長兄を踏み付ける力を3パーセントほど上昇させる。
みしりと音が聞こえた。
「てめえがブラコンなのは重々承知してるがなメタル、コレクトされる趣味は
 残念ながら俺にゃねーんだよ。今すぐこれ廃棄させろクズ」
「ち、違ッ…! そうじゃないんだよフラッシュ!!」
これは、任務時に使用できないかと思って…!!
廃棄という言葉に反応し、必死に言うメタルマンに、フラッシュマンは「あ?」と
声を上げ長兄から足を退けた。
「任務時にだぁ?」
こんなちっこいのが? 訝しげな声を上げるフラッシュマンをよそに、足を退けられた
ことと話を聞いてもらえそうな様子に、メタルマンは安堵したようにやれやれと
息を吐き、起き上がりながらスタンバイ中の一体をひょい、と摘み上げる。
掌に自分のミニチュアを乗せ、フラッシュマンの目の前にかざした。
「いやほらね、こーゆーちっさい、自分とリンクして動かせるのがあったらさ、
 潜入のときとか便利かなって。スキャン効かないとこもあるじゃん? ちっさい
 隙間とか潜れたら便利だよねって思ってさ。博士にもそう言ってみたら、試作しろって
 仰ったんだ。ノリノリなご様子だったから急いで作ってみたんだよ」
メタルマンの説明に、フラッシュマンは「ふーん」と腕を組む。

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