Main2

□Sauvage
1ページ/6ページ


・10万打御礼アンケート2位、蛇光









あー猫がいる。
姿は似ても似つかないと知っている。しかしそれでもそう思った。
居心地の良さを求めて壁を作って、出てこない。気位の高い、人見知り。



『ニードル、突然すまんが、今日空いてる時間あるか?』
『あ、大丈夫っすよ、どうしました?』
『よかった。お前らの基地のエネルギー供給管についてなんだが、どうも滞って
 量落ちるトコあっただろ。あの件で話せるか』
『了解です。なら俺がそっちへ伺いましょうか?』
『いや、俺がそっちへ行く。序でに出来るなら直すわ。構わないか?』
『もちろん』

「ねーだれとおはなししてるのー?」
会話を途切れさせて黙ってしまった長兄機に、スパークマンがねぇねぇと呼び掛けた。
どうやら通信しているらしい姿に、長い腕を振ってアピールしてみる。
「あぁ、すまんスパーク。フラッシュさんと通信してた」
「あーフラッシュさんかぁ、もしかしてこっちくるの?」
「ああ」
「わぁい、なんかひさしぶりだねぇ、きてくるの」
嬉しそうなスパークマンの声の横から、「今回のご用は?」とマグネットマンが問い掛けた。
「この基地のエネルギー供給管についてだそうだ。前に不備が見つかっただろう」
「あー、あー、んと?」
「マグネット分かってないみたいだよー、ニードル」
テレビを観ているタップマンがからかうように言う。すると、ニードルマンはむっつりと黙り込んだ。
「………………」
「あ、武器はだめだからね、ニードル」
怒られちゃう。
のほほんとしたスパークマンの声に、ニードルマンは疲れたようにため息を吐いた。


─────そんな会話がされる中、リビングに寝転がっていた機体が一体、するりとドアの向こうへ消えた。


「よう、邪魔するぞニードル」
「あ、フラッシュさん、いらっしゃい」
「わー、フラッシュさんだー」
「フラッシュさんだー」
「おうスパークにタップ、相変わらずだな。マグネット、何で正座してるんだ。
 ジェミニは任務だったな、ハードは?」
「おひるねにいくって、おひるまえにどっかいったの」
「そ、そうか…。ん? ……スネークマンはいないのか。機体反応もないな。
 あいつ今任務無いと思ったんだが」
「あれ、さっきまでそこに居たんですが。……うっわ本当だ信号切ってる反応ない。
 ご用なら呼んできましょうか?」
正座のせいで膝の感覚がおかしくなったのか、マグネットマンががくがくと生まれたての
仔鹿のようになりながら小首を傾げる。
「ああ、いいさ。んじゃあ、代わりってわけじゃないが、シャドーは今基地にいるか?
 あいつも確かオフだった筈────」
「はいな、こちらに。何用で御座ろうや?」
「おぎゃああ!?」
「うわシャドー!?」
突然足元から上がる声に、フラッシュマンが仰け反りながら悲鳴を上げた。
「はて面妖な? フラッシュ殿から乳幼児のような悲鳴が」
フラッシュマンの背後の足元、床にかかった影から首だけ出したシャドーマンが眉間に皺を寄せる。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ