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□たまにはいいじゃない
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なのにその当の本人はたいして気にすることもなくのんびりと構えている。
「まぁいいじゃん、何とかなるよエアー兄さん、ね、フラッシュ」
「あーもお分かったよ、誠意を尽くしましょうじゃねーの畜生」
諦めたように言い、フラッシュマンはバブルマンの意見に同意を示す。
「……まぁいいだろう、お前たちがいいのならこれでいこう、明日の零時が出発だからな」
エアーマンの言葉で任務の作戦が一応のまとまりをみせる。
するとそこにE缶を数本かかえたウッドマンが部屋に入ってきた。兄たちがお帰り、と声をかける。
「ただいま、あんちゃんたち。」
作戦会議お疲れさま、と言いながらE缶を兄たちに手渡し、ウッドマンも椅子に座った。
「ねえ、エアーあんちゃん、ヒートあんちゃんが探してたよ、メンコ見せてくれる約束だって言ってた」
「……焼かれてはたまらんから断ったはずなのだがな」
エアーマンは末弟から伝えられた言葉にやれやれ、とため息をつくとE缶を飲み
ほして「見てくる」と席を立った。
「ヒートもいい加減諦めりゃいいのに」
とフラッシュマンがつぶやきE缶を口に含む。
フラッシュマンのひとつ下の弟のヒートマンは、無邪気でマイペースな性格の
ためよく兄弟を振り回す。
「メンコ焦がしでもしたらあとが怖いっつーの」
その言葉にウッドマンがくすくすと笑う。
「ふふ。…でもなんか今日静かだね」
「喧しい奴らは任務中だからな」
「賑やかって言ってあげなよ、フラッシュ」
基地にいる五人以外のDWNと博士は、今頃ド派手に破壊活動とその演説に洒落こんでいるだろう。
自分達と入れ違いで帰還予定だったはず、とフラッシュマンは考える。
「ちょーっとくらいなら良いじゃんケチー」
「あまりしつこいとバブルのプールに落とすぞ」
むー、とうなるヒートマンを抱えたエアーマンが部屋に戻ってきた。
どうやらヒートマンのお願いはきいてもらえなかったらしく、文句をたれているようだ。
「エアー兄さんそれは止めてよ」油が水に入ったら困る、とバブルマンが戻ってきた兄に抗議する。
「ヒートも、言うことききなさい」
「うー…」
弱点武器を持つバブルマンに言われヒートマンは仕方なさげにうつむく。
その様にフラッシュマンが笑ってしまい、ヒートマンが「笑うことないじゃん!」と怒る。
ヒートマンは、自分が他の機体と比べて容姿も性格もどこか子供っぽいことを
少し気にしているのだ。
「わりぃ、怒んなって。ほれ、お前もE缶飲めよ」



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