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□露見3
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「何、行くの嫌なの、スネーク?」
「いや、んなことねーよ」
「あーそーいえばスネーク前回の飲み会でなかったよね。今回は行く?」
「あ、あぁ……」
マグネットマンが思い出したように言えば、スネークマンのまた微妙な返事にタップマンが再度突っ込む。
「あれ、やっぱ嫌なんじゃ?」
「んなことねーって」
「そう? あ、そういえばもひとつ思い出したんだけど、メタルさんがスネークのこと
 何か妙に気に掛けてたんだけど、なんかあったの?」
「知らねー。それに別に何もねーっつってんだろ。…ほら、張り替えすっから黙れよ」
「んー」
呆れた声で言われ、タップマンが黙る。頬を弄るスネークマンの手を視界の端に収めつつ
マグネットマンを見れば、いつもほんわりしている兄機体が微妙な視線でスネークマンを見て、
次いでこちらを見て軽く肩を竦めた。見たところいつもと変わらない様子のスネークマンに、
どうやら同じく違和感を感じているらしい。
「ん、………よし。中は影響ねーからこれでいいだろ」
「はーい。ありがと」
「俺がやったことだってお前言っただろ、礼言うなよ。……じゃーな」
素っ気なく言い、スネークマンはやはりいつものようにひらりと片手を振ってラボから出ていった。
それを二人して見送り、ドアが閉まって数秒してからタップマンが口を開いた。
「で、どう思う……?」
「さーねー。大方、最近明らかスネークがフラッシュさんを気まずいのか知らんけど
 避けてたことでなんか変なことした、或いはなったんじゃないかとか勘ぐられたんじゃないの?
 どうせ前の飲み会こなかったのも避けてたからでしょ」
マグネットマンが意外に冷静な声で言う。
ほんわりのんびりしているようで、存外に全体を冷静に客観視できる赤い機体にタップマンも同意を返した。
「フラッシュさんが女性型だってばれた任務の同行者なわけだし、そりゃ平静で
 いられなかったんだろーけどさ。その辺は同情するけどね」
でもさぁ、とマグネットマンがまたむくれる。
「でも、美味しい思いもしたっていうじゃん? で、メタルさんとクイックさんが
 なんと以外にも────…あ、メタルさんは前からだから変わり無いか。────
 かなりのシスコンだったっていうじゃない。それで何か言われたんじゃない?」
「あー。んー、そうかな……」
「というと、タップは他の意見?」
疑問系で言えば、マグネットマンが先を促すように疑問系を返した。
「いやぁ、僕が行ったとき、クイックさんはまぁ騒ぎ起こしはしたけどトレーニング
 したかっただけみたいだし、一見先輩たち普通だったけどねーと思って」
「ふぅん…。会いに行っただけで騒ぎ起こるなら十二分に普通じゃないと思うけど」
「あー、それもそうか。そうだね。………てかさぁ、さっきから思ってたけど、
 マグネットどんだけスネークが羨ましいわけ。それもし表に出したら絶対に
 メタルさんたちの矛先マグネットに行くよね」
「そんなへまはしないよー。と思うよー。」
「やめてよね。酒の席が修羅場の席になるとかほんとやめてよね」
ふんわり笑うマグネットマンに釘を刺しつつ、タップマンも楽しそうに笑った。
「まぁ、取り敢えず楽しみだね、飲み会」
「色んな意味でね」
くすくすと、嫌味でも面白がるでもなく肩を揺らす。
会話を締めて、自分達もラボから出ようと席を立った。






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