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□露見
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「知ってしまったのだね、スネーク君」
「不可抗力です俺は無実ですお願いですから殺さないでください」
静かに、しかし訝りを全力で込めながら、アイセンサーを赤く光らせる姿に
スネークと呼ばれた緑色の機体はびくびくしながら肩を縮ませる。
基地に帰還してから、即座にラボへと二体とも引きずり込まれ、そしてスネークマンだけが正座させられていた。
「いい加減にしろよメタル、事故だって何度言わせる気だ! そもそも知るも何もどーだっていいだろ!」
「いいや、フラッシュ。俺が許せないのは、可愛い妹の聖域にスネーク君の顔が
 押し入ったことだよ。俺ですらしたくてもしたことないのに」
「気持ち悪いので心の底から死んで下さい」
怒りに震えるメタルマンを何でもないようにばっさりと切り捨てて、青い機体は
やれやれとスネークマンに向き直る。腕をとって立たせた。
「悪いな、スネーク。阿呆が迷惑かけた。さっきだって俺勢い良くぶつかっちまったけど、どっか痛めなかったか?」
「いえ、平気です」
「───…それに、驚かせたな。すまなかった」
申し訳なさそうにそう言われ、今はもうスペアの装甲に付け替えて元どおりと
なっている胸部に思わず視線が行きそうになって、慌ててスネークマンは下を向いた。
─────メタルマンにも、妹と呼ばれていた。
些細なハプニングから露見した、フラッシュマンは女性型だったという事実に
スネークマンは戸惑いを隠せないでいた。
「いえあのそんな、驚いたのは確かですけど、先輩が謝るようなことじゃ…。
 でも、フラッシュさんって女性型なの、何で隠してたんです?」
「……あぁ。えっとな…」
「いや、気を悪くされたならすみません!」
言いにくそうな空気に、慌てて顔を上げる。すると、その様子がおかしかったらしく笑われた。
「はは、悪くなんかしねーよ、当然の疑問だろ。いやな? そもそも、俺だけ女性型なのが嫌で隠してただけなんだ」
「どうしてフラッシュさんだけが?」
「さぁなぁ。博士の気紛れらしい。他の奴と機体の高さだってそうかわらねーのにさ」
恥ずかしそうにそう言いながら、こりこりと頬をかく。
「確かに、女性型っていうには背高いですね、俺より高いし」
「博士の趣味でな」
「はぁ?」
「背の高い女が好みらしい」
「は、はぁ…」
「それにかなりナイスバディだよ」
「交ざってくんな死ね」
会話に普通に入ってきたメタルマンに冷たく言いながら、フラッシュマンは舌を打った。
しかし、スネークマンはメタルマンの言葉に内心首を傾げた。ナイスバディ、と言っていたが
しかし、フラッシュマンの機体は正直男性型にしか見えないのだ。
細めな体型ではあるが、別に他にも細めな機体はいるから変ではない。
声は中性的というにはやや低め、背だって高いし、胸は押さえ付けられているからと判明したが
まぁ普段は装甲に隠れているし、胴だって別に括れていない。脚は少し柔らかめではあるが、
あえて言うならそこぐらいだった。





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