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□みやげ
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「相変わらず、派手にいくねぇ」
破壊を好む一つ上の兄の感想をのべ、フラッシュマンはやれやれと兄弟機の合流を待っていた。
背後には、エアーマンの空輸部隊が控えている。
「兄ちゃんたち、早く来るといいね」
「心配いらないよ、どうせ楽しくやってるって」
ウッドマンが心配そうにつぶやくが、バブルマンが末弟を安心させるように笑った。
「人間は今回どう片付けたんだ、フラッシュ?」
「微妙に人聞きの悪い言い方すんなよ、エアー兄貴。規模のでけえ施設だからかしらねえが、
 核シェルター持ってやがったから、まとめてそこに突っ込んだ」
可愛い娘も何人かいたし、今回は豊作だぜ、と楽しそうにフラッシュマンは次兄の質問に答える。
「……またお前は…」
「見るだけじゃねえか、知的好奇心です」
呆れ顔の次兄にフラッシュマンは悪怯れなく言い放つ。
すると、長兄のメタルマンとクイックマンがこちらに向かってきたのが見えた。
「お疲れさま、あんちゃんたち! あとの二人は?」
「すぐ来るぞ、ありがとうウッド! ところで、フラッシュは?」
「もう合流して待機してたよ」
自分達の姿を目にするなり嬉しそうな様子の長兄が抱きついてこないか、少しだけ
ウッドマンが警戒する。
「よう、オニイサマ」
「フラッシュ、無事だったか! でもその呼び方はイヤだ!」
「やかましい。ほら、クラッシュとヒートも来たぞ」
六男の言葉にメタルマンが後ろを見ると、クラッシュマンとヒートマンが歩いてきている姿が見えた。
「兄ちゃんたち、お疲れさまー!」
「ウッド、ただいまー! でも、僕今熱いから触っちゃダメだよー」
「よし、これで全員だな、帰還するぞ」
集まった兄弟機を確認して、エアーマンが口を開く。
その言葉に、兄弟機たちが控えていたエアーマンの空輸部隊に乗り込む。
そこに、ナンバーズの場所を嗅ぎつけてきた人間たち───警察───が集まってきた。
「あらら、お客さんだ」
バブルマンがそう言い、バブルリードを発動させて警察の車を攻撃し、溶かす。
溶かされまいと一定距離まで下がらせたが、それでもこちらを捕らえようと銃を
構える様子に、ウッドマンがリーフシールドを作動させ、兄弟機の周りを囲って守った。
うずうずとドリルを回転させるクラッシュマンの肩を、フラッシュマンが掴む。
「こら、離脱だぞバカ」
弟の言葉に、赤くなりかけていたクラッシュマンの目が落ち着きを取り戻す。
「あ…すまん」
急いで飛行装置に乗り込もうとすると、フラッシュマンはクラッシュマンの
聴覚センサーのそばでぼそりとつぶやいた。
「……でもまぁ…一発くらい、土産を置いてってやれよ、兄弟?」
「……!」
にやりと、まるで悪戯を提案するような弟の言葉に、クラッシュマンが一瞬惚け見上げるが、
すぐに彼もにやりと笑う。至近距離で、少しの間笑った顔で見つめあった。





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