鰤
□ひかり。
3ページ/6ページ
妙な感覚が全身を突き抜け、通り抜けていった。
「「!!!???」」
ウルキオラも同じらしく、お互い突きつけた刃をギリギリで止めた。
一護はウルキオラの首に、ウルキオラは一護の心臓に。
視線を合わせ相手の意思を探った。
気になる気配は…織姫がいるあたり。
視覚では確認できない。
バッ!!
同時に砂を蹴った。
嫌な予感がする。
「ウルキオラっ、てめぇ!!」
「知らん」
「じゃぁっ……なんだっていうんだよ!」
「…………」
無言で先方を睨む。
今、有り得るのは藍染の介入…だが。
ウルキオラは考える。
その感覚とは違う。
ならば…なんだ?
波動の性質は極めて井上織姫に近いが、この妙な感覚はなんだ?
死神の小細工だとしたら?
黒崎一護と死神どもは、情報を共有し協力している訳ではないようだが。
コイツが知らずに、不意をつく事も…
ウルキオラは考えを即否定した。
有り得ない。
閉じられた【虚圏】で、傷ついた死神たちに出来る事は、たかが知れてる。
俺に悟られずに、行動を起こすのは容易ではない筈。
したとしても、あの結界を破壊すれば嫌でも気づく。