□kiss me?
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「黒崎くんは」
織姫は口を開いた。

「キス、した事ある…?」
「っあぁ?」

突然な問いに飲んでいた缶コーヒーを、落としてしまった。
たいして残っていない中身がハデな音と共に机に飛び散る。





>>>>>kiss me?





「だ…大丈夫?」
「あ…あぁ」

少しコーヒーがかかって、拭くモノがないかと辺りを見回してると、目の前に数枚のテッシュ

「はい」
「お、サンキュー」

受け取ると、いつもまにか持ってきていた雑巾で、テキパキと机をキレイに拭き取り

「洗ってくるね」

空き缶を手に教室をでた。
井上はこーゆぅ時、意外と冷静でなんとなく遊子みたいだ。と思った。
小学生と比べるのもナンだが。
汚れたテッシュを丸めゴミ箱に投げ入れ…「ちっ」外した。
腰の辺りでケータイが振動する。タツキだ。

『一護?どこ?今…』
「教室…終わったかよ?」
『ぅんにゃ。すぐに終わるって、ふんでたんだけどー…ねぇ』

心底、鬱陶しそうに答えた。
なんでも、空手部のミーティングが長引いてるらしい。
もうじき3年が部活に入れなくなるため、時期部長を決めたり、これからの活動予定の打ち合わせをしたり…
もう、そんな時期になるんだな。
聞きながら一護はぼんやり思った。

『そんなんで、悪いんだけどさ一護「送ってけ。だろ?井上を…」そそっ、頼める?』
「OK」

元から、そのつもりでした。
タツキは、そう聞くとイジワルく笑う。

『[送りオオカミ]するんじゃないよ?』
「タツキ……お前はいったい俺を何だと…」

端末の向こうで、タツキを呼ぶ男の声がして、ヒヒッと実に女の子らしくない笑い方をした。

『あ〜ぁ、バレちゃった。サボってんの…ぢゃぁ、頼んだわよ?一護』

電話がきれた。

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