鰤
□鍋にチョコレートは<有>か…?
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…たつき、俺はお前の方がコエぇよ。加減を覚えてくれ、頼むから。
「!あぁっ…た・たつきちゃんってば!」
すぐ復活できず悶絶してる肩に、軟らかい感触
「黒崎くん…苦しい??」
眉を八の字にして、俺の鳩尾辺りをさする。
コンの奴が[特盛]と称した、よく育ったふくらみが腕に触れる。
さりげに、姿勢をずらし身体を押し付け密着した。
このくらいは…イイよな?
かなりどきどきモノなんだけど、もちろん顔には出さない。
「ん…あぁ、なんとか」
イイ匂いするよな…井上って。
いつも思うンだけど。
「ごめんなさい。私が…チョコなんて入れたから……つい、その、誘惑に勝てなくてvv」
謝ってはいるが、目を反らした口元は笑ってる。
ん?誘惑って…
「確信犯かよっ!!?」
「やーんっvv」
半分ぐらい<鍋>の存在を忘れかけていた。
跳ね起きた勢いで井上を押し倒してしまう。
あんまり近くにいて、距離感が掴めなかった結果だけど。
[ごめんなさい]のポーズの、井上を押さえつけているのに気がついた時は、すでにヘッドロックがかけられていた。
「だ〜か〜ら〜っ!ヤ・メ・ロってゆぅーのっっ!!!」
「Σっごぉお……っっ」
「……たつきちゃんっ、たつきちゃんっ…オチちゃうよっ?黒崎くん…」
「オトしたほーが、世界平和に貢献するし、地球に優しいいわっ!」
…なんだよソレ?ワケわかんねぇじゃん…
俺は、自然破壊する悪の組織のなんかか??
必死に技を解こうとしてるが、流石は日本で2番目に強い女。
綺麗にキマって外せない。
ヤベぇ、ホンキでオチそう…本気で加減ってモンを覚えてくれ。俺のために。
「えぇ〜、それじゃぁ<鍋>食べれないよぉ〜?せっかく出来てるのにぃ……」
そこでいいのか?心配するところは。
たつきも脱力したおかげで、俺は生還できた。
「足らないんじゃないか?」
俺を、救出する事も援護する事もなかったチャドは、何事もなかったように聞いた。