FF7*

□HISTOIRE:6
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そうだ、それでいい。
何となく似た所のあるオレ達は同じ夢を見た。
【英雄】になりたい、と。

オレがアンジール達に教わった事は、他の奴等にも教えたけど実行出来るのは、クラウドだけだろうとなんとなく感じてた。
前に試験に落ちた。と云っていたけど、確実に経験不足のせいだ。
1STクラスになるのは素質… も多少あるだろうけど、それをどう考え理解しようと努力するか、なんだと思う。
ソルジャーになってから体より、頭を酷使していた気もするし。
だから


夢を抱きしめろ。そしてどんな時もソルジャーの誇りは手放すな。


…願わくは
何処かでエアリスに会ったらよろしく、な。

そっと[リンク]を切る。表情の読めない呆然としたクラウドが目に映り霞む。
息を吐きだすといろいろな事が頭を駆け巡る。
あぁ、これがホントの走馬燈ってヤツだろうな。
やっぱり、あんたは凄ぇよ。セフィロス。
なぁ


オレも【英雄(ヒーロー)】になれたかな?





「じっちゃん!ソルジャー?ソイツ…」

狭いジープの後部座席で簡単に診察する、背の高い老人に落ち着きない声が聞く。
「うむ」
ゴーグルのような物が目のある場所に埋め込まれた、端を操作し視界を元に戻す。
目が使い物にならなくなって30年は経つ。
「…新羅に渡すの?」
拗ねるように老人を覗きみる。明るい茶色の巻き毛に緑色の瞳。
「どうしたらいいかの」

問い直すと幼い顔はみるみる赤くなる。
「ウチで… 治せないかな?」
もじもじと落ち着きない様子に、老人は診察した金髪の青年の顔を改めて見て頷く。
「ふぅむ」
幼さの残る顔は整っていて、彼女の好みでもあるらしい。

「彼は魔晄中毒だよ」
「柵の向こう側に居る人達みたいな?」
大きな瞳が見開く。柵の向こう側と云うのは数少ない新羅の施設で、魔晄中毒患者などが一時的に集められている場所だ。
青年の症状はかなり重い事を隠さずに伝えた。
「助けられない?じっちゃん…」
訴える声に思案する。砂埃の酷い延々と広がる荒れ地を、重症な状態でここまで歩いてきたようだ。
砂嵐を避け岩陰に張ったテントの端から、ミッドガルのゲートを確認する。
兵士が気付いてる様子はないようだ。
この分では捜索も入っていないだろう。

「仕方ない、やってみようかの」
正気に戻る保証はないが。

喜び抱きつく小さな体を撫でる。
触れる小さな腕は人のそれとは違う。
作りもの【ギミック】
そんな人間はプレート下では珍しくはないが、彼女はその最たるものだろう。
故郷バノーラの唯一の生き残り。
彼女の望みは何でも叶えようとあの日決めた。

そんな事で自分の犯した罪が許されるとは思わないが。

「見つかったら…アウトだぞ?」
「そぉんなの!このハーロゥ様にお任せね!」

踏ん反り返ると慣れた手つきで、青年に毛布を被せ慣れた手つきで、カモフラージュに掛った。


  **** 終


CCラスト ザックス側から。
オリジナル入りましたが、CCクリア当時から思ってたんです。
『俺、ソルジャー1ST ヨロシク、ネっv』なんて、いきなり完全回復してるわきゃないだろ;と。
正気には戻っただろうけど、怖いんですぞ?中毒ってのわ。
やっぱり続いたりしますが。そっちはまたいつか(笑)

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