FF7*

□HISTOIRE:2
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「うふふ…待ってるわよ」

蠱惑的な、どことなく毒のある微笑みのエストがドアの向こうに消え、独りため息をつく。
数日前プリズンからエレベーターで上がって行くは時、解放されるのはいつになることかと正直思っていた。
こんなに早く目的に達し、自由になれたのは彼女のおかげだ。
1Fに着きドアが開いた。

「クラウド!」

ティファが走り寄る。後にはバレットの姿。

「まだ、元気でないみたい」

心配そうに耳打ちしたのに軽く頷き、バレットの方へ歩み寄る。
嫌なものでも見るようにバレットは顔をしかめた。

「礼なんて言わねぇからな」
「ここがコレルなんだろ?」

淡々と云うクラウドにバレットは

「…は!」

大きく鼻を鳴らし、背を向け奥に止まっている赤いバギーへ向う。
占いロボの白い腹と急かすように手を振るユフィが見えた。

「えっ?うそ…そうなの?そんな素振ちっとも…」

驚くティファはバレットの後ろ姿と、その後を行くクラウドを交互に見た。
バレットの返事はなく、しばらくして

「プリズンでバレットの話を聞いた家…写真が残ってた」

代わりにクラウドが小さな声で答えた。
その当時、結構いっぱいいっぱいだったティファにはイマイチ理解出来ず、深く聞こうと口を開く。

「ど…どーゆう「俺ん家だった。って事だ」」

吐き捨てるようにバレットは言った。

「バレットの家…」
「アンタん家が何だってさ?」

明るい声でふざけるように言葉を拾ったユフィを見下ろし、ニヤリと笑う。

「か〜わいいマリンは、元気でいるかなぁってよぉ!」
「っかぁ〜っっ!!」

鼻の上に思いっきりシワを寄せ、ユフィは大げさに顔を背ける。

「?なんや…愛人ですの?」
「ううん、娘さん。とっても可愛いの!」

でっぷりとしたモーグリの上からケット・シーが呑気な声で聞くのに、エアリスが隣で答えた。
クラウドが上にいる間に、生ける猫のヌイグルミとこいつ等は随分仲良くなったようだ。



…にしても、随分と大所帯になったモンだ。
深々とため息をつく。


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