FF7
□Alice dans pays des merveilles
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柔らかい草のおかげでたいした怪我はないようだ。
「……っぅう」
体中が痛い。
なんとか立ち上がると離れた所にバイクが転がっている。見た目は大きな破損はなさそうだ。
さっきのは…なんなんだ?
ぽつぽつと降り出した雨が顔や腕に当たる。
まだ、ショックで立ち直れない頭を抱え道にもどる。手に血が付いた。どこか切ったらしい。
激しく耳鳴りがする。
先ほどの場所をみると、まだ小さなプラズマが走っていた。
さっき
突っ込む一瞬、エアリスを見た。…気がする。
そんなハズない。
彼女は数年前に死んでいるのだ。
頭では判っているのに、そう願っている自分が情けない。
ふらつく足で向かう。
酷くなった雨の中、まだ魔法のエネルギーが散りきってない場所に人が倒れていた。
徐々に落ち着いてくるにつれ、色が抜けていく。
少女だった。
着ている服は大き過ぎ幼くみえる。
「…?おぃ」
一応声をかけるが返事はない。そっと脈を確かめた。
とりあえず生きてはいる。
クラウドはほっと息を吐いた。
後は医者に見せたほうがいいだろう。怪我もなさそうだ。
抱きかかえ、ぐったりした体を起こした顔は
エアリス
そんなわけないんだ。
でも……現実だ。
死人を抱いたまま俺は凍りつく。