FF7

□Alice dans la charge du gardien
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コキコキと首を捻りアリスの隣に座ると、深いため息をつき仏頂面で私の珈琲を眺め
「くれ」
「ブラックっすよ?」
かまわない。と、カップに手に伸ばし珈琲啜る。
アリスの手元のメモと端末を交互に見
「マメだな…アンタ」

まるで他人事のように。
いったい、誰のせいですか?
ノートのお姉さまたちのアドレスの辺りをペンで軽く叩く。
「…君がズボラなのだ。クラウド君」
「そーか?」
とぼけるように首を傾ける。ま・いいですけどね。

「お疲れ様っ。クラウド、ありがとう。助かっちゃった」
カウンターへ戻ってきたティファは巨乳のリスクを物ともせず、重そうなダンボール箱を軽々カウンター内に運び入れていく。
その男前振りに見惚れて小声でクラウドに囁いた。
「ティファって力持ちだね」
「…それ言わない方がいいぞ」
嫌な事を思い出したのかウンザリしたような表情は、既に地雷を踏んでいるようだ。
「なんか飲…ぁあっ!」

戻ってきて当たり前のような顔で、私の珈琲を飲むクラウドに彼女は気付き
「なぁんで、人の飲んでるのよぉ」
「承諾は受けた」
「じゃ・な・く・てぇっ」
スタッカートの台詞とティファの腕が振られるリズムが重なる。

あー…うんうん。多分、そー・ゆ、事ぢゃないな。

クラウドには分からないらしく、訝しげにティファを眺める。
その様子に大きく息を吐いて、彼女は頭を振り諦めたように
「もぉ…ごめんね?アリス。新しいの淹れてあげる」
「ん?あぁ、いいよ。また欲しくなったら言う」

気を使って欲しくないので私はやんわりと断った。
オーダーも入っている事だ。あまりお客を待たせるのはよくない。

ティファはムスッとクラウドを睨む。
「俺もいい。すぐ出るんだ」
何か言われる前にクラウドは口を開いた。
「えー…すぐって?何かあったの…」
「…届け先で頼まれた。一晩アリスを頼む」

なるほど。
横で聞きアリスは頷いた。
基本的にアリスは彼の仕事の仕方にツッコム気はない。内容も聞けば答えてくれる。が言いたい時は話すし、助手としては後でメモなり伝票なり渡してもらえればいいのだ。
基本的に[接客]のフォローと[事務]なので。
ティファはそうもいかないのだろう。訝しるようにクラウドに詰め寄る。

「ん、いいけどー…どこまで?」
「終わったらすぐ迎えに来る」

ティファの問いには答えず、クラウドは話しを閉じた。
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