□クリスマスの話
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「MerryChristmas!!」
「サンタさん、僕たちにもプレゼントちょうだいっ!!」




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PM23:42

深夜番組の芸人たちがまだ、声高らかにクリスマスを盛り上げてCMが入る。
濡れた髪をドライヤーで、まったり乾かしながら

「あーぁ。終わっちゃうなぁっ…クリスマスーぅ」

織姫は他人事のように言った。

だけど、今年のクリスマスは楽しかった!
浅野くんが主催で早い時間だったら…って、チャドくんのバンドの人が知ってるお店を手配してくれて。
それがスゴくお洒落なお店で。初めて聴いた生バンドの演奏はすごい迫力だし、チャドくんもカッコ良かった。

浦原さんが前面協力って事でゲームの景品は怪しいかったり、レアな物だったり皆の反応がいちいち可笑しい。

黒崎くんの家族や浅野くんのお姉さん、たつきちゃんのお兄ちゃんも遊びに来たし。浦原商店ご一同様や、朽木さんと恋次くんたちも来たんだよ。(もちろん偽体で)

それはそれは、かなり賑やかで楽しかったのです。
 

ついさっき、たつきちゃんから撤収したって、電話が入ったばかり。
2次会はカラオケBOXで歌いまくり、3次会は浦原さん家で騒いだんだって。
だいぶ早めに帰宅した私を心配した電話だった。

ごめんね?今年はイロイロあったから、ちょっと1人でボケェ〜っとしていたかったのです。


ドライヤーをだらだらと片付けながら、TVのリモコンを足の指で操作したら電話が鳴った。
この時間は、朽木さんか千鶴ちゃん…かな?

「はぁい。もしもしぃ…?」
『…ぉ。井上?俺、黒崎だけど』
「……ぅん?」
『井上ぇー?聞こえてっか?』
「ぅ…わぁっ!黒崎くん?どぉーしたのっ、超・びっくり…」

ホントびっくりし過ぎて、持っていたブラシが遥か遠くに飛んでいってしまった。
電話をコードレスに切り替えて取りにいく。

『どうしたって…お前こそどうした。いつの間にか消えてるし』
「にゃはははっ、消失マジックです!」
『アホか!手品はちゃんと、もれなく戻ってくるだろ!』
「見たい番組があったのですっ」
『はぁぃ?小学生か…?』

笑って誤魔化してブラシを拾う。
素足にフローリングの床が冷たくて。
うん。流石にキャミとパンツだけじゃ寒いよね、ちゃんと服着よう。
家だから別にいいんだけどね。
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