小説
□闇の中に集う
1ページ/15ページ
戦うのは嫌いだ。
戦争も嫌いだ。
しかし今、俺は何をしているのだろう。
武器を持ち、目の前にいる人物に向かって振り回している。
何度目か分からない金属音に、耳が痛くなる。
「……何故……反逆を起こす。
国か?地位か?それともなんだ。」
構え直しながら、ウィルに聞く。
相手も剣を構え直している。
「……すべてだ。」
この国は、奪ったものが多過ぎる。
だから、一つは答えられない。
一晩中かかっても、この反逆を起こす同胞の気持ちなど。
「…あなたに理解してほしくはない。」
ウィルが一気に接近し、その一太刀を受け止める。
ナイフが壊れる心配はないが、不安だった。
―そんなに暗い闇にあるのか…!!
反逆者達の心は。