Hyotei

□デート、10分前
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「あー早く来すぎてしもうた…」


俺が可愛くてつれない日吉を口説いて口説いて。
毎日めげずに努力をした結果、日吉との始めてのデートがついに実現した。
承諾を得たときは本気で泣きそうになった。
家に帰ってから、じっくりと幸せをかみ締めて涙が出た。
緊張して夜もあまり眠れなくて。
時間までまだ30分はある。
待っている時間がこんなにどきどきするなんて知らなかった。

日吉にこんなこと言ったら絶対に「馬鹿じゃないですか」と言われておしまいだ。
すぐに日吉特有の嫌味な笑顔が浮かぶ。
来たら言ってみよう。
どんな反応を返してくれるのか楽しみだ。


「…情けないやん俺…」


これではまるで恋する乙女ではないか。
確かに恋はしている。思いっきり片思いだ。
だけどこんなに乙女的思考ではなかったはずだ。
はぁ、と自分に向かってため息を洩らす。
こんなんで大丈夫か俺。
日吉を落とす自身がなくなってきた。
好き、と一応アピールはしてるけどあの鈍感な日吉だ。
本気だと気付かせなければならない。


「あと…10分ぐらいやな」


もんもんと考え込んでいるうちにもう半分は経っていた。
あと少し、で日吉が来る。
そう思うと心臓が急に早く動き出す。
顔に出ていないかとても不安だ。
演技には自信はあるけれども。

早く来てくれ。
やっぱり情けなくて、はやく会いたい。

ここは人がたくさん居るから無理だけど思いっきり抱きしめたい。


だから、早く。



「忍足さん?」



END.


*  *  *  *

日吉殆どでてきてないorz
乙女的思考忍足。
ちょっと乙女すぎ^^←


09.01.13

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