守り神っ!?
□怨念深い奴って怖い
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今回は嫌な感じがしたから着いて来るという閑を止めたが、結局アイツは西宮神社の近くまで着いて来た。懐かれたのか?
別れ際に、マフラーが見付かって良かったな!と声をかけたら、「大きなお世話」と微笑みながら手を振られた。言葉と表情が噛み合ってないぞ。
まぁ、そんな感じで到着した西宮神社。どんな感じだとかいうツッコミは受け付けない。
「…」
「ん〜…」
「…帰って良?」
上から白虎、朱雀、オレだ。
今回は親父の仕事があるとかで、如月はいない。
まだ神社の中には入っておらず門の外にいるんだが、そこからでも中の嫌な雰囲気が感じ取れる。それはあの朱雀すらも少し眉を寄せてるほどだ。
「帰っちゃ駄目だよぅ〜」
「言われなくても分かってるぅわっ!?」
「…早く」
白虎に門の中へ蹴り込まれてしまった。
おかげで語尾がおかしくなったじゃねぇか。
後から入ってくる白虎を少しだけ睨んでから前を見れば、なにやら黒い影がすぐそこまで迫ってきていた。
「な…ッ!?」
「っ!!」
「主!!」
朱雀が珍しく声を張り上げれば抱き着くようにオレを庇い、白虎が突き刺すような小規模の竜巻で黒い影を抹消させる。
…オレ、なにも出来なかった。
「主、大丈夫?白虎がいてくれて良かったよぅ〜」
「あ、あぁ…」
確かに、今のはオレら二人だけじゃ防げなかったかもしれない。
いや、おそらくオレだけが無傷だ。朱雀はきっとオレを庇い続ける。今みたいに。
「…待ってて」
「え…?」
白虎がいつもの無表情でこっちを見ている。
だけど、その視線が刺さるのは多分気のせいじゃないはずだ。
「……危ない。…待ってて」
要するに、お前は危ない。自分たちだけで行くから終わるまで神社の外で待っていてくれ。そういうことだろう。