守り神っ!?

□南の朱雀
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家に到着するなり、如月は瞬きをする間に見慣れた人間の姿に変わった。
それにオレが驚いてしまったのはしょうがない。

「親父ー、居るか?」

遠慮も無しに親父の部屋の扉を足で開ければ、折り畳んだ座布団を枕にして居眠りをしている親父が目についた。

オレの横を如月がすっと通り過ぎ、親父の隣に膝をつく。

「主様、こんなところで眠ってしまわれては風邪をお召しになります」

「ん…あぁ、おかえり。…斗真、その人は?」

如月に揺すられてやっと目を覚ました親父はいつものように如月の頭を撫でてから体を起こし、ハッとしたようにその視線をオレに背負われている朱雀(らしい人物)へと向ける。

「あぁ、これか。隼人んちで預かられてた朱雀…らしいよ?」

早速見付けたんだぜ。すげぇだろ。

そんな意味を込めて背中を見せれば、親父はそれはもう凄い勢いで立ち上がった。
わ、我が父ながら意外に俊敏…。

「朱雀様を見付けたのか!でかしたぞ斗真!」

わっしゃわっしゃと乱暴に頭を撫でくり回された。
驚きのあまり朱雀を落としそうになったが、まぁしょうがない。

「ちょ、辞めろって!朱雀落ちる!」

「おぉスマンスマン。斗真、神の間に行くぞ。朱雀様を起こさねばな」

満足そうに腕を組み、如月を引き連れて神の間へ早足で向かう親父。
オレはずり落ちてきた朱雀を背負い直し、そんなに早く起こしたいのかと小さく溜め息を吐いてから親父の後を追っていった。
 
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