守り神っ!?
□字って上手すぎると逆に読めない
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元はといえば、なにもしてなかったオレのせいなのだからと「こっちこそ、ごめん」とオレも謝った。
だが朱雀はしぶしぶという青龍の態度が気に入らなかったのか、むっと唇を尖らせて青龍の両頬をむにむに引っ張りだす。
「らにふんらよ!?」
「あはっ、なに言ってるか分かんないよぉ〜」
頬を引っ張られてるせいで上手く喋れない青龍に、それを見てくすくすと笑う朱雀。
こういうのってなんて言うんだっけ?
あー…と、ああそう、カオスな状況。隼人に聞いただけだが、使い方これであってるよな?
「ほら朱雀、年下苛めは止めろって」
「苛めてないよぉ。遊んでるんだよ〜?」
「これのろこがら!?」
…うん、青龍ごめん。オレもなに言ってるか分からない。
とりあえず朱雀の年下苛めもどきを止めていると、スッと静かに障子が開いて、如月を引き連れた親父が入ってきた。
「親父?」
「やっと離しやがった…。明政、なんの用だ?」
親父が入ってきたからか、朱雀は青龍の頬を引っ張っていた手を離す。
そうすれば青龍は引っ張られていた頬を擦りながら、腰を下ろす親父を見て首を傾げた。その仕草がなんだか幼い。
「ええ、今回は少し斗真に用が。斗真、お前、鍛えてみる気はないか?」
真剣な顔でひたと見据えられる。
親父の右後ろに控える如月の視線も合わさって、その迫力は倍だ。
「さっき倉を見ていたら、こんなものを見付けてな。如月」
「御意、主様」
親父がオレを見たまま一声かければ、如月は膝で数歩だけ前に出ると、手に持っていた古っぽい本をオレに差し出した。
不思議に思いながらもそれを受け取って中を開くと、それはもう達筆すぎるくらい達筆な字がずらずらと書かれている。
「親父、これは?」
「御先祖様の…いわば日記のようなものだ。それによるとな、それを書いた御先祖様はあまり力に秀でていなかったらしい」
達筆すぎてなかなか読み取れないが、確かに「弱」とか「力」だとか、それに関するようなことが書いてあるのはなんとなく分かった。