Lavers

□1章
1ページ/1ページ





ーーーガチャン。


お母さんが出掛けた

いつもの仕事の時間
より早めだけど



…今日も客は
来るのか…

私は憂うつになる

狭いこの部屋が
私の許された空間

毎日入れ替わり
やってくる男の人の
生臭い匂いと

ここ2年あたり
カーテンも開けていない
カビのようなホコリの
ような匂いが広がる
ベッドだけがある
小さなこのアパートの
一室。


外から鳥の鳴き声が
聞こえてくる


…お母さんにこんな
生活を強いられてから

中学にも行かず
客の相手ばかりして

この2年間ろくに
太陽の光も浴びてない



でも私はこれが

お母さんに対する
"償い"なんだと
思っている



私のせいで…
お父さんと離婚する
事になってしまった


全部私のせい



.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ