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□ママレードジャム
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こんがり焼けたトーストを、お皿の上に移動させたら、僕は2階のニール兄さんがいる部屋へ向かうんだ。
寝ている兄さんを起こして5人揃って朝食を食べるのが僕らの朝。



「ニール兄さん、起きて…」

「ん……」



眉をひそめて嫌そうに身を捩る兄さんを見るのも、いつもの事で。
これに躊躇すると、下のトーストが酷い事になると最近思い知ったんだ。
あのカチカチのトーストだけは絶対食べたくない。
だから僕はシーツを引き剥がしてでも無理やり兄さんを起こすんだ。



「おーきーてーっ!」

「うおぉっ!?」



そして例のごとく兄さんは大声を上げて上体を起こして、吃驚した目で僕を見つめるんだ。
そんな兄さんににっこりと笑いかけて、着替えと洗顔をするよう言い渡すのも僕の仕事。面倒くさそうに起き上がる兄さんの背中を押しながら、僕はキッチンに戻るんだ。

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