ほうかご百物語
□白塚真一の一日
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―――僕は白塚真一。
美術部に所属している普通の16歳。
…まぁ、ちょっと普通じゃないかもって最近思うんだけど…
「…真一?」
「…あ、ごめん。何?」
「その、真一、難しそうな顔してたから」
今僕と話している可愛くて綺麗な女の子は同じ美術部で、一応、伊達クズリという事になってる。
なぜ一応かと言うと…
「おっ、二人ともいるね〜」
「あ、御崎」
……今僕の説明の途中に現れたジャージのこの人は、経島 御崎という一応二年で先輩で、人数の足りない美術部に入ってくれている。
普段は専ら妖怪の事を調べているだけなんだけど…
なぜ一応かと言うと…
…というか、早くイタチさんの説明に戻りたい。
「イタチさんが可愛いこととか、イタチさんが綺麗で美しいことや、あの優しさに満ちた笑顔を見ると全てがどうでも良くなるくらいに心が洗われることとか…」
「あ、あの、ね?真一?」
「え?どうしたの、イタチさん?」
「そういう事は、声に出さないで欲しい、かな…。その、ね?照れるから…」
……しまった!
どうやら声に出してしまっていたらしい…
でも、イタチさんの照れてる姿も可愛いな…
また声に出すとイタチさんが真っ赤になるため、声に出さないように気をつけながら僕はイタチさんの説明を再開することにする。