ストライクウィッチーズSS

□ネウロイと想い
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基地内に警報が鳴り響く。

「バルクホルンさん!!」

トゥルーデを探していたらしい宮藤が大急ぎでやってくる。

「宮藤、迷惑をかけたな。出撃だ」

「は、はい!!でも…その……その格好は?」

「うわあっ!こら、服を返さんか!!」

「いやいや、似合ってますよ。それで大丈夫です」

「バカを言うな!!」

時間も無いからか、トゥルーデは忌々しそうに僕を見て、そのまま出撃することにしたらしい。

耳をはずしたのは残念だけど……

「あっ…と、僕も、行きましょうか?」

「いい。お前は残っていろ」

そう言うと二人はさっさと走っていった。


「………ネウロイ、か」


僕の呟きは、二人に届かない。






私と宮藤は滑走路へ向けて走っていた。

ふと、宮藤が口を開いた。

「ヘイさんは、出撃しないんですか?私、一度も戦っているのを見たことないです」

「あぁ、アイツか。アイツは、あれでいいんだ。」

「…どういうことですか?」

「…アイツは、触れただけでネウロイを消滅させれるんだ。」

過去に何度か見た能力を、宮藤に説明する。

なぜ、どうなっているのか、能力の詳細は不明だ。

「それなら、なおさら出るべきじゃ…」

「…それは、誰よりも一番前に出ることだ。一番、危険な所に。」

ネウロイに触れるだけで消滅させれる。

でも、ネウロイに触れなければどうにもならない。

「それに、触れるにしてもコアから離れすぎていればネウロイは消せない。まぁ、有効範囲がどれくらいかもよく分からないが…」

「そう、なんですか……」

宮藤は真剣に話を聞いている。

「それに、アイツはシールドを張る力がない。飛行能力は軍から支給された特別なバンドで補っているんだが…負担も大きい。それに15分もすればバッテリーが切れる」

「…だから、よっぽどの時じゃないと戦闘には参加しないんですね。」

「そういうことだ。」

一通り説明を終えると、宮藤はクスリと笑った。

「…どうした、宮藤?」

「…バルクホルンさんは、ヘイさんを大事に思ってるんですね。」

「!?」

「皆、彼のことを大事に思ってるでしょうけど、バルクホルンさんは特に…」

「う、うるさい!!さっさと行くぞ!!」

それ以上宮藤の話を聞かず、滑走路へと走った。





皆が出撃した後の滑走路で、僕は一人突っ立っていた。

11人全員が出撃したらしい。

基地は恐ろしく静かだ。

それにしても、今回は異常だ。
      ,,,
ネウロイが、三体も現われた。

「……時間が、ないかもな……」

ふと、空を見上げる。

「!?」

何やら、黒い物体がこちらに向かってきている

恐らくあれは……

「………くそったれ。やってくれるな」

恐らくあれは、ネウロイだ。

時間差で四体目が出現した。

基地には誰も残っていない。
,,
俺がやるしかない。

足につけていたバンドについているスイッチを入れる。

そして思い切り地面を蹴り、飛ぶ

武器は持たない。

武器を持つと動きが鈍る。時間が限定されているからには、速攻決める必要がある。

触れれば勝ちだ。

坂本少佐が居ないため、コアの位置が見抜けないのは痛いが、やるしかない。

10秒とかからず、俺はネウロイの前に立ちはだかった。
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