ストライクウィッチーズSS

□バレンタインデイ
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今日は2月14日。いわゆるバレンタイン。

そんな物とは縁のない生活を送ってきた僕は、朝からずっと布団に潜っていた。

「眠い眠い眠い眠い眠い眠い」

そう自分に言い聞かせながら。

今の時間は6時20分。カレンダーを7万回くらい見たが、やっぱり2月14日。

今日は一日部屋から出ないようにしようかなーとか考えていた。

ここには11人、女の子がいる。

そりゃ、皆優しいからチョコくれるだろう。

でもさ、そんなたくさん義理チョコもらったらさ、泣きたくなるって。

周りにたくさん女の子が居てはっきりと脈無し、って言われたらさ……

でも飯とか食わないとなぁ…

気が重いな……

そんな事を考えているうちに20分くらいたった。

「………」

あれ、おかしい。

いつもならそろそろトゥルーデが来てくれるはずなんだけど……

寝坊かな?

とりあえず着替えよう……

布団から出て、服を着替える。

チョコが嫌いって事でいくことにした。

ていうか貰えるって決まったわけじゃないけど……

「行こう……」

食堂に行くと、トゥルーデにミーナ中佐、エーリカさんがいた。

「あれ、トゥルーデ起きてたんだ。何やってんの?」

「っ!な、なんでもない。朝食の時間だから食堂に来ただけだ。」

「はぁ…まだ時間ありますけど。ていうか今日は起こしに来てくれなかったから寝坊したと思ってました」

「バカを言うな!私は別にお前の世話係じゃないからな」

「あぅ……」

「トゥルーデが居なくてもこれだけ早起きできるなら十分じゃないか〜?」

「エーリカさんまでこんな早く起きて……夢見てるのかなぁ。きっとそうだ!」

「む、失礼な奴…」

「はいはい、じゃぁ朝食にしましょう、ちょっと早いけどね」

「あ、ミーナ中佐。何でこんな早くから何かしてるんですか?」

「それは別にあなたは気にしなくてもいいのよ」

中佐の有無を言わさぬ笑顔に何もいえなくなる。

なので朝食の準備をすることにする

まだ皆起きてきてない…

ていうか早すぎる…怪しいな

まぁ、みんなと会わないのは今日に限っては嬉しいことだな。

他の日に会えなかったら多分死ぬけど。

「あ、この芋上手い。」

「だろう?それは私が手を加えてだな…」

自慢そうに語るトゥルーデ。こういう一面もあるんだなぁ

「トゥルーデってば何個芋を無駄にしたか…」

「お、おい、そういう事は言わなくていい!」

「トゥルーデ一人にしたら朝の分なくなってたかもしれないわね…」

「こ、こら、ミーナまで!いいか、全然そんなことはないぞ?私一人でも大丈夫だからな!」

「ふふっ…トゥルーデ、何か可愛い」

「なっ……!?」

「お、赤くなった。」

「…お前は芋を返せ!」

「おぉう、芋は返さない!せっかくトゥルーデが僕のために作ってくれたんだから!」

「バカを言うな、お前のために作る芋はない!早く返さんか!」

芋を持ったまま、トゥルーデと僕はテーブルの周りをぐるぐる追いかけっこする。

「…全く、彼には適わないわね」

「そうだなー。トゥルーデが完璧にいじられてるな」

「トゥルーデ、大丈夫かしら…」

「トゥルーデならなんとかするでしょ。大丈夫だって。」

「そうね、夜まで様子みましょう。」

この後僕は見事にずっこけ、トゥルーデに捕獲された。

芋は皿から落とさないように器用に守ったものの、すぐに没収された。

「うぅ…ヒドイ。」

「お前がバカなことを言うからだ。」

「…じゃぁ、僕部屋に戻って寝ます。おやすみなさい。また明日」

「なっ…まだ朝だぞ!?それに、夕飯だってあるだろ?」

「…今日は何か辛いじゃないですか。」

「た、体調でも悪いのか?」

「そういうわけじゃないですよ」

「じゃ、じゃぁ別にそんな寝なくてもいいんじゃないか?」

「まぁそうだけど……」

「それなら、ちゃんと夕方も出て来るんだぞ!いいか、絶対だ!」

「え、あ…はい。分かりました」

「そうか。なら夕方までは好きにするといい。そうだミーナ、坂本少佐に訓練してもらうよう頼んでくれないか?疲れたほうがいいだろう」

「えぇ、分かったわ。早速美緒に頼んでくるわね」

「はぁ!?何でそうなんの!?訓練しなくても大丈夫だけど!?」

「何を言っているんだ?やはり体力がないといざという時困るぞ?」

「そうだぞ〜私達と違って魔力があるわけでもないしさ」

「でも僕には特殊な力がありますよ?みんなだって知ってるでしょ?」

「ま、まぁそうだが。いざという時にその力を使いこなすためにも、坂本少佐の訓練を受けるべきだ。」

「…しまった、墓穴を掘ったか!!」

「観念しろよな〜」

「じゃぁエーリカさんも訓練受けてください。僕の3倍くらい。いざという時のために」

「そうだな、ハルトマン。最近お前はたるんでいるから坂本少佐に…ってこら、逃げるな!」

エーリカさんがものすごい速さで逃げていったため、結局僕一人で受けることになったのである

昼過ぎには芳佳とリーネも来たけどさ。
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