ストライクウィッチーズSS

□叶わぬ恋をする男
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「…何か言えよー」

「…………」


そんなこと言われてもいまいち状況が……

ミーナ中佐に聞くべきだな、うん。


「あの…」

「あら、あなたの知り合いだったの?この基地に知り合いがいるって言ってたから」

「え、えぇ。まぁ。」

「そう、ならアナタが彼を案内してあげてくれるかしら?彼、しばらくこの基地にいるから。」

「えぇっ!?何で僕が?中佐でいいじゃないですか?」

「いや、あなた達、知り合いなんでしょう?」


そ、それはそうだけど……

なんていうか…僕が学校からここに来る前、すごい事を知ってしまったから……

この前みたいに悪いことする時とかは普通だから…余計嫌かも。

そんな事考えてると、ミコスが口を開いた


「案内は別に後でもいいですよ。それより、俺の部屋は…」

「そう?あなたの部屋は…」

「ヘイと同じでいいです」

「せいっ」

「がはっ」


とりあえず殴っておいた。


「こいつの部屋は滑走路近くの海深くでしたっけ?」

「えっと…あなた達って、どういう関係かしら?」

「それはもちろん、愛しあ…」

「でいっ!」

「げふっ!」


決まった!鳩尾だ!!


「ふふ…いいぞ…素晴らしい」

「あの、中佐、怖いです」

「奇遇ね。私もそう思うわ。」


なぜだ!?鳩尾にヒットしたはずだ!!

なのに、笑ってやがる……


「まぁ、彼の部屋は」

「僕と正反対でお願いします。」

「……分かったわ。」


そうしてミコスの部屋は僕から一番離れた位置になった。

芳佳とリーネの近くだったっけか。


「はぁ……」

「さっきからどうしたんだ?1分間に30回くらいため息ついているが…」


トゥルーデと芳佳と一緒に中佐に頼まれた荷物を取りに行っていた。


「え?いやいや、そんなにはないでしょ〜」

「でも、ホントため息多いですよ?疲れてるんですか?」

「いや、疲れてるんじゃなくて、疲れそうだから…」

「新人のことか?」

「新人さん、ですか?」

「あぁ、今日来たんだが、どうもヘイの知り合いらしくてな。」

「へぇ〜そうなんですか?」

「実はあんな奴知らないんじゃないかって、さっきから8万回くらい思ってるんだ」

「……あ、あの…」

「実はギ○スとかで植えつけられた記憶なんじゃないかな?」

「お前は一体何を…」

「二人は、僕のこと好きですか?」

「なっ!?」

「えぇ!?」


脈絡なさすぎたな…今のは

二人がびっくりしてるぞぉ

可愛いなぁ


「え、えっと、私は…その…」

「な、何をいきなりバカなことを。私は部下を嫌ったりなどせん。」

「わ、私も、嫌いじゃないですよ。」


あ、好きとは言ってくれないんだ。

悲しいねぇ


「僕は好きですよ。みんな。大好きです。アイツを除いて」

「い、いきなり何を言うんだ!お前は…」

「えっと…アイツって新しく入ってきた人ですか?」

「そうそう。あれ。」

「お前…そんなに嫌いなのか?」

「いや、嫌いっていうか、危険っていうか…」

『?』

「あ、そろそろ着くみたいですよ。」


やっと目的地についた。

何時間も座ってたからすごい疲れた……


「で、どこでしたっけ?」

「この先の建物だな。すぐそこだ。」

「あ、バルクホルンさん、建物の前に人がいますよ?」

「どれ…確かにいるな。」

「………あの、帰っていいですか?」

「何を言っているんだお前は。早く行くぞ。」

「いやだあああああ!!!絶対にいやだああああ!!」

「ど、どうしてそんなに嫌がるんですか?」

「だって!だって!」


僕は建物の前にいる人物に指をさす

二人は分からないのか?

アレが!アイツが!!


「あれは…新人か?」

「え、あの人が新しく入ってきた人ですか?」

「何でアイツが!ここにいる!」


ミコスが建物の前にいる。

いつの間にきたんだよ!


「あ、こっちにきますね。」

「あぁ、そうだな。」


ダッ


僕は後ろを向いて全力で走る!

が、トゥルーデに服を掴まれ逃走不能に!?


「おーい!」


来たか…来てしまったのか……


「どうした新人。なぜここにいる?」

「そんなの、決まってるでしょう。愛する人の近くにいるのは」

「があっ!!」

「う……」


近くにあった岩を全力で投げたおかげで、邪悪は消滅した。

僕、やったんだね……


「さぁ、行きましょう。二人とも。」

「お前、何でそんなに嬉しそうなんだ!?」

「大丈夫ですか!?」


芳佳が魔法でミコスの怪我を治そうとしていた。

駄目だ!


「そんな奴に魔力を使っちゃダメだって。そいつは腕の一本や二本、自力で再生するくらいだから」

「そんな嘘に誰が引っかかるんだ……」


結局、世界の悪は復活し、一緒に行くことになった。

クソ、鬱だ…死のう……

岩で頭を打とうとしたり、海に飛び込もうとする僕を何度も止めてくれたトゥルーデと芳佳には感謝しています。

もっとも一番最初に止めるのは絶対ミコスだが……


「荷物って何ですか?煉炭?」

「その場合お前には絶対渡さんな……」

「僕は、トゥルーデを置いて死んだりなんてしない」

「でも、さっき何度も危なかったんじゃ……」

「俺も、お前を置いて死んだりは…」

「ごめんなさい」

「即答か!」

「なぁ…お前達って、どういう関係なんだ?」

「私も…なんか気になります…」


気になっちゃダメだ!

改めて確認すると泣きたくて仕方ないから

落ち込んでると、ミコスがやたら顔を近づけてくる。


「どうした?」

「ふおおおおおっ!?」


ビックリして飛びずさる

で、バランスを崩してこけてしまう…

はずが、途中で僕の身体が支えられる。


「全く…マヌケなやつだ…」


トゥルーデだった。

こけそうな僕を支えてくれるなんて…

ていうか、顔にやわらかい感触が…


「柔らかくて…幸せです☆」


その言葉を聞いてトゥルーデは気づいたのか、すごい勢いで僕を突き放した


「お前というやつは……人が助けてやったというのになんという破廉恥な……」

「えっと…すいません」

「謝るくらいなら最初からやるな!!」


あ、痛い。

そんな石を投げなくても…

そんな光景を一人の男が見ていた。


「めだ……」

「ん?」

「ダメだ……」

「な、何が」

「ダメだあああああ!!ヘイは渡さん!!」

「はぁ!?」


その場に居たミコスを除く三人が顔を見合わせる。


「バルクホルン大尉、あなたにヘイは渡さない。」

「な、何だいきなり…」


ダメだアイツ…早くなんとかしないと…


「勝負を」

「は?」

「俺と、勝負をしてください!」

「な、なぜ私がそんな…」

「どちらが相応しいか決めましょうよ…上官であり、ライバルのバルクホルン大尉」

「はぁ!?」


そうして二人の勝負が始まるらしい。

もちろん全力でトゥルーデを応援する。

いきなりこんなことになってかわいそうだけど……


こんなことを言い出したアイツ。学校から離れるとき知ったけど、ホモなんだよなぁ………
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