MAIN2
□好きになる瞬間
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(鬼の副長 土方十四郎
華麗な剣捌き
スラッと伸びた足
高い背
整った顔立ち…
全てにおいて皆に一目置かれている
この俺も、この前剣を交えた時勝利を収めたのは俺だったが剣の腕もその他の所も認めている。
悔しいが、最近は《カッコいい》とさえ思う
この感情は…一体……)
『なんなんだ?』
〔何がですか?銀さん〕
『い、いや!なんでもねえ!』
〔そうですか?
なら仕事でもして下さいよ〕
『さ〜てそろそろ食後の散歩でも行ってくるかー』
〔あ!ちょ、銀さん!!〕
────
───────
──────────
『あ〜暇だなー』
[あ、旦那ぁ]
『ん?おー沖田君じゃない
それと…土方?』
「なんで俺んときだけ疑問系なんだよ」
『沖田君〜仕事中?』
「無視かよ…」
[ええ。見回り中でさぁ]
『そーなんだ
沖田君頑張ってね〜あと、土方も』
「ついでかよ!」
[土方さん、行きますぜぃ]
「ああ」
くるり、と土方は後ろを向いた
『あっ…』
土方が後ろを振り向いた瞬間、銀時はキュンと胸が切なくなった
「?…なんだよ?」
『なんでもねえ…』
(なんだよ、これ…)
土方の背中が小さくなるにつれ、胸の痛みは増すばかりであった
『…あれ?』
気が付いたら、銀時は屯所の前にいた
『え!?
いつの間に俺こんなところに!?』
「…何してんだ?万事屋」
『ひ、土方!?』
「んでそんなに驚いてんだよ」
『いや、フラフラ〜っといつの間にか此処に…』
「訳分かんねえ
てか、テメェ今暇だろ?」
『ああ…暇だけど…』
「んじゃ散歩付き合えよ」
『なんで俺が…』
「パフェ奢ってやるよ」
『行く』
───
─────
────────
〈お待たせ致しました〉
『!!ヤッター旨そ〜
いただきまーす!』
子供の様に美味しそうにパフェを食べ始める銀時
しかしすぐに手が止まった
『あの〜、そんなに見られてたら食い辛いんですけど…』
「フッ ガキみてえだなーって思って」
『う、うっせえな!///』
仕方なく、土方の視線を無視して食べる銀時
(なんで俺、こんなにドキドキしてんだろ?///)
「どうした?顔が赤えぞ?」
『ほっとけ!!//』
ニヤリとイタズラに笑う土方に又銀時はときめいてしまう
────
──────
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〈ありがとうございました〉
────カランカラン
『ふ〜ご馳走さん!』
「ああ」
『なんで今日そんなに気前がいいんだ〜?
銀さんの機嫌取ってもなんもでねえよ??』
「散歩に付き合ってもらったからな」
『ふ〜ん』
「んじゃな」
『あ、うん…』
(又だ…)
土方が後ろを向き、軽く手を振る
その行為が銀時にとっては何故か辛い行為になってしまう
『じゃあな…』
そう言って銀時が後ろを振り向いた瞬間に、誰かに腕を引かれた
『なっ!?』
「又明日も付き合えよ」
振り向いた瞬間に視界に入るドアップの土方の顔
「おい、返事は?」
『あ、ああ…いいぜ。
パフェ奢ってくれんならな』
「ああ。奢ってやるよ」
そう言った後の土方の笑顔は夕日を浴び、とても艶やかに見えた
『ッ…!///』
「じゃ、仕事に戻るぜ」
銀時は、小走りで屯所に戻って行く土方を見て、自分の気持ちがしっかりしたことに気が付いた
(俺…土方のことが好きなんだ……)
喫茶店の前で、暫し考え事をし硬直する銀時であった
オマケ↓
[なんですかぃ土方さん
帰って来て早々ニタニタと気持ち悪い]
「フッガキにゃ分からねえよ」
[分かりたくもねえでさぁ]
「クックックッ
頑張って手を伸ばせば届くもんだな」
[何にですかぃ?]
「大事なもんにだよ
渡さねえぞ、総吾!」
[そろそろ黙って下せぇ]