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□刀
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刀とは、己の魂
鞘とは、己という器

即ち、刀とは己自身を指す


少なくとも、俺はそう思う。

だが、何か違う気がする…
なんだ……?









『土方さん、何一人で唸ってんですかぃ?気持ち悪ぃ』


「気持ち悪くて悪かったな…」



(どうやら俺は自分の世界に入っちまってたみてえだ…)






『土方さん、何考えてんですかぃ?』


「……総悟。
お前にとって刀ってなんだ?」


『刀…ですかぃ?そうですねぃ


守りたいものを守り抜く為の武器…とか?』


「なる程な」


(やはり人それぞれ違うみてえだ)



「…じゃあ其の守りたいものってーのはなんだ?」


『そうですねぃ…


俺にとって、一番愛しく感じるものですかね』


「…分かった!」


『な、何がですかぃ?』


「俺にとっての刀が」


『へえ…何ですかぃ?』


「お前だ、総悟」


『…はぁ?』


「俺は、刀とは魂だと思ってる」


『……』


「魂には器が必要だ。

俺にとっての器は己自身じゃねえ。お前だ」


『何故そうなるんですかぃ…』


「フッ…分かんねえだろうな

分かりやすく言うと、大切なもの。無くてはならないものってことだ」


『!///』






沖田は顔を真っ赤にしながら『俺もですぜぃ…』と、小さく呟いた





「あ?何つった、今?」


『ッ//とぼけねえで下せぇ!!

やっぱアンタ何か嫌いでさあ!』







そう言って沖田は走り去ってしまった








「クックッ…可愛い奴だ」







土方は今ある幸せを噛みしめ、めったに見せない和かな笑顔を見せた





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