とびだせ!ボンゴレ幼稚園
隼人溺愛なディーノ先生を中心とした突発的幼稚園パロ。
スクアーロ先生、ガンマ先生のクラスも登場予定のギャグ連載です。のんびり更新予定。
興味を持ってくださった方はどぞ!


ep.3 お泊り保育の巻




ふふふ。ついにやって来たぜ、この日が。
年長組の夏の恒例行事。愛しの隼人と初お泊まりだぜ!!

「ふ…ふふっ、へへ」

ああ、こんな素敵な行事、にやけるのも当たり前って感じだぜ。だって、普段は半日しか会えない隼人と今日は一夜を共に出来るのだから。
隼人のあんな姿やこんな姿をいろいろ激写しようと、わざわざこの日の為に奮発してデジカメを買ったんだ。抜かりはない。

「へへ…ふふ、ぐふっ!?」
「きもい、自重しやがれ。歩く公害かオメーは」

デジカメを持ったままにやにやしていたら、後ろから思いっきり頭を殴られて勢いよく机に顔を押し付ける形になった。こんな酷いことを平気でする奴、あいつしかいない。

「何すんだ、リボーン!」
「何したかわかんなかったのか?なんなら、もう一回してやってもいいんだぞ」
「遠慮しとく」

リボーンの言葉に光の速さで前に向き直ると、今日もばっちりスーツ姿の男は「もう少ししたら子ども達が来るからな」とオレの背中を叩いて部屋を出て行った。
このボンゴレ幼稚園の組長先生、もとい園長のリボーンとは昔からの腐れ縁だが、未だに敵わない相手だ。

「う゛お゛ぉい、ディーノ」
「あ?何だ、スクアーロ」
「お前ほんとーに気持ち悪ぃぞぉ。一応、同期のよしみとして言っておく」
「おい、マジで引くなっつーの!ほっとけよ」

隣の机に座っていた同期でうめ組担任のスクアーロが、心底嫌そうな顔でこちらを見ている。何だなんだ、そのちょっと軽蔑するような目は。
誤解を招くとあれなので一応言っておくが、オレは断じてショタコンではない。ただ隼人が好きなだけなんだ!!
思い出して思わず「アイラブユー隼人!」とか言いながらデジカメに唇を押しつけたら、親友は顔をひきつらせながら目を逸らした。

「スクー、お前だってお気に入りの子ぐらいいるだろ」
「残念ながらいねーなあ。可愛くない奴らばっかりだぜぇ」
「でもさ、普段は可愛くないけど寝顔とか見たらまた変わるかもしれないぜ」
「あ゛ー確かにそうかもなぁ」

そうそう、と頷きながら瞼の裏にあの子の寝顔を思い浮かべてまた顔がにやける。何か昔こんな歌あったよな。瞳を閉じて君を描いてそれだけでいい、みたいな。いや、それは悲しい歌だったか。

「ふん、変態野郎め。こんな奴が教師やってるなんて、世も末だな」

左隣から鼻で笑う声がして、二人して反射的にそちらを見やる。視線の先には、金髪オールバックの男が馬鹿にしたような顔でこちらを見つめていた。

「ガンマ」
「γだ、ディーノ。どうせ教育的指導とか言って、お得意の鞭さばきであの子にお仕置きをしてるんだろ」
「しねーよ!どんだけ変態だ、オレは」

同じくオレ達と同期でふじ組を任されているのがこいつ、ガンマだ。ガンマのくせに何故かかっこつけてγと名乗り、子どもにまで強要する始末(呼んでもらえてないが…)。
更に普通なら同期三人で頑張ろうなってところを、昔からオレ達のことを何故か敵対視して張り合ってくる。
本当、困った奴だと思う。

「う゛お゛ぉい、お前、オレ達を勝手にライバル視するのもいい加減にしろよ」
「ふん。残念だが、お前達とは一生相容れない関係だ。せいぜい仲良しごっこでもやってるんだな」

ガンマはそう吐き捨てると、大きな音を立てながら職員室の扉を閉めて出て行った。シンとなった室内に、思わずはあ、と盛大な溜め息を二人して吐き出す。

「ったく、本当困ったちゃんだよな」
「クソ感じ悪ぃぞお、マジかっ消す」
「スク、子どもの口癖移ってる」

何で仲良く出来ないんだろうなあ、あいつ。面白い奴だから結構楽しいと思うんだけど。
ペンをくるくると指で回しながら考えていると、外が急に騒がしくなってきた。加えて、微かにあの子の声。

「…隼人の声がする」
「もう子ども来てるのか「隼人ぉおっ今行くからなぁああ」

急いで職員室の扉を開ける。目の前には、待ちに待った愛しい隼人が大きな瞳を丸くしてこちらを見上げていた。
ああ、やっと会えた。先生は待ちくたびれたぜ。

「おい、でぃーの!びっくりすんだろが」
「びっくりしてる隼人も可愛いなあ…」

膝をついてぎゅっと抱き締めると、隼人はぎゃーやめろとか放せとか喚きながらオレの頭をぽかすか叩く。
あー先生はそんなん全然痛くも痒くもなんともないからな。よしよし、可愛い奴め。

「ちょっと。ボクのはやとからはなれなよ」
「そうです。このろりこんきょーし」
「いでっ」

両脛を同時に蹴られて、地味な痛さがじわりと広がる。だけど隼人は離さない。生理的な涙を浮かべながら見上げれば、恭弥と骸の姿があった。

「おお。どうしたお前ら、仲良いじゃねえか」
「なっ!そこであっただけだよ」
「そ、そうですよ。なにをおっしゃるやら…」

珍しく二人並んでいる。しばらく視線を泳がせた後、気まずくなったのか「しょうぶです!」とか言いながら二人して何処かに消えていった。
何だかんだ言って仲良いよな、あの二人。

「ガハハハハ!きょうはおとまりするんだもんねー」
「きょくげんたのしみなのだ!!」

そうか、この騒がしいのもいたな。遠く離れたところからでも聞こえてくる馬鹿でかい声の二人。
近くでツナと武が「ほんと、楽しみだね!」とにこにこ笑い合ったのを見て、ちょっと癒された。






拍手ありがとうございました!!よろしければ何か一言など。



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