メ イ ン

□大好き
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もう嫌だ。
もう耐えられない。
お前が分からない。
恐いんだよ、山本。
お前が恐い。




目の前で獄寺が泣きながら言っている。
どうしてそんなことを言うの、獄寺。
俺はいつだってお前に優しくしてたじゃないか。


体を繋いだことがそんなに恐かった?

だって、仕方ないじゃないか。
俺はこんなにも獄寺が好きで、獄寺を愛してる。
好きな人に対して、欲情するのは当然の感情じゃないの?
俺、ずっと待ってたよ。
獄寺が嫌がるから、ずっと待ってた。
けど、もう我慢出来なかったんだよ。

なぁ、獄寺が俺に『ごっこじゃねぇ』って言うように、俺だって『恋愛ごっこ』をしてるわけじゃないんだよ。
何がそんなに嫌なの獄寺。
何が耐えられないの。
俺が分からないのなら、もっと俺と一緒にいようよ。
俺のこと、もっと知ってよ。
俺はちっとも恐くなんてないから。
獄寺にはうんと優しくしてあげるよ。

「ごめん、ごめんっ…!山本…」

何で謝るの。
何を謝ってるの?

「俺のは、愛じゃない。愛じゃなかった」

今更何を言い出すの獄寺。
もう遅いよ。
もう手遅れだよ。
だって俺はもう獄寺がいないとダメなんだよ。
俺が手放すとでも思ったの?


あぁ、そうか。
少し強引に体を繋いでしまったから、きっと混乱してるんだね。
痛かったんだろ?
いつも優しかった俺に痛い思いをさせられたから、戸惑ったんだよね?
怒ったんだよね?
でももう大丈夫。
俺も初めてだったから乱暴にしちゃったかもしれないけど、もう平気。
言ったろ?
獄寺にはうんと優しくしてあげるって。

「違う、違う。嫌だ、こっちに来ないでくれ」

泣かないで獄寺。
そんなに怯えた目で見なくても大丈夫だから。

あぁ、どこ行くの。
そっちに行っても壁しかないよ。
そんなに無理に動こうとしないで。
まだ体だって痛むだろ?
シーツ1枚巻いただけじゃ寒くない?
ほら、そんなに震えてる。

「嫌だ。嫌だ山本」

そうやって照れ隠ししてる獄寺は可愛いね。
顔を真っ赤にして、目にいっぱい涙を溜めて。
縋りついてきて良いんだよ。
だって獄寺が俺のものであるように、俺も獄寺のものなんだから。

「来ないでくれ、お願いだから。お願い…」

もう平気だから。
そんなこと言わないで。
今度は大丈夫だから。
俺の大好きな獄寺。
絶対離したりしないから。
安心して俺に身を任せてて良いからね。



終わり
またしても無理やりされた獄寺。
うちのサイトの獄寺は、可哀想な率が非常に高いみたいです。
黒武大好きだー。
2008.10.8

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