小説置場

□腹巻き注意報。
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さて困ったもんだ。


サンジはそう頭を悩ます。





腹巻き注意報。





コレを一体どうすべきか。


緑の物体を目の前にして一人腕組み。
そして、うーん…と一度唸るとまた頭を傾げた。
さてはて彼をそんなに悩ます根源は一体何かというと――


「コイツってホントに中途半端な位置にあるよな」


眼下にある緑の腹巻きだったりする。
ただしそれはただの腹巻きじゃなくて愛しい愛しい彼女‥ではなく、『彼』の愛用品で。


「上に脱がすにも微妙だし下からすっぽ抜くのもなんだかなぁ〜。いやマジで毎回この時に悩むぜ」


脱がすに脱がせない、なんて独り言を呟きながらペラリと摘んでみて一度中を覗く。そうすれば当然白いシャツが現れる筈なのだが…


「っ…ぃい加減にっ」


サンジの目の前にはなぜか突如出現した足の裏があって。


「しろっ!!!このエロコック!!!!!!!!!」


ゲシッと手加減無く顔を蹴り上げられたら痛さにみっともなく床を転がってしまう。


「ブツブツブツブツ、独り言言ってねーでヤるならヤるでさっさとヤれっ!!!」


今まで大人しく組み敷かれていた(笑)彼――もといゾロは上半身だけガバリと起き上げて文句を言うと、相手してられっか!と更に完全に立ち上がろうとする。


「だー!!!待て待て!!!!!」


それに激痛に舌を巻いて転がっていたサンジもまた慌てて起き上がった。
その手はしっかりとシャツの袖を捕まえていて思わずゾロは足が止まってしまう。


「放せっ」

「ヤだ」


振り払う代わりにギロリと凄みの効いた目付きで睨むゾロ。
しかし他人ならイチコロのその剣幕もサンジ相手には残念ながら効果はあまり無く。嫌だと拒否しつつ、むしろ可愛いなぁと怒りながらも赤面したその顔にひそかに胸を射抜かれている辺りサンジはもう救いようがない。


「ゾロ本当にごめんって!今からは真面目にヤるから!きちんとヤるから!マジでヤるから!!!!!!」

「っ‥!」


服を引き寄せながら自らも近付いて来て逃すまいとするサンジにゾロはギョッとしつつますます顔を赤くする。


「な、楽しくヤろうぜ?」


その態度に手応えを感じたのか、気を良くしたサンジは最後のお伺いをたてるのだが。
まぁ人生そう上手くは行く筈も無く。


「〜〜〜っヤるヤる連呼すんな!!!!!」


真っ赤になった恥ずかしがり屋さんにはその台詞は全く逆効果だったらしい。


「放せドアホ!!!!!!!!!」


最終的には手も足も出てくる喧嘩に発展してしまうと流石に格納庫の外までその物音は漏れていて。


「アイツらどんだけ激しいんだよ」


少し想像して顔を真っ青にした今夜の寝不番は現実逃避するべく、カヤ〜と今日もまた故郷の恋人に思いを馳せるのであった。





END

二人合わせてヤるって何回言わせたんだろう…アホだなぁ(笑)
 

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