10/02の日記

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めい様へ
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めい様へ

こんにちは。フローリアです。
この度はお越しくださいまして、ありがとうございます。
そして、あんなのを貰っていただき、感激のあまり少し泣いてしまいました。


〉鈴鹿御前は、もののけ姫の烏帽子御前のモデルが彼女なのではないかという説で初めて名前を知り、最近、能の本を読んだ時に演目『田村』が紹介されていたことで知っている程度です。


ジブリも『もののけ姫』も好きなのですが、それは知らなかったです!
けど、あの時代をもとにしたお話なので、有り得ますよね。
ちなみに、私はアシタカが好きです(#^.^#)


〉あの地方、盗賊が多いんですよね。本来『関』という用語には『通行税をとりたてる人』『海賊』という意味もあるらしいです。ですから当時は海賊船のことを関船と言ったと。その盗賊の出現地のひとつに鈴鹿の関の名前がありました。間違いなく鈴鹿は、東海道上で箱根と並ぶ『関』のひとつなんだと思います。東の大名たちからすれば、都に軍を送る時には木曽路は使えません。甲斐の虎の目の前なんて通れません。山中のゲリラ戦も厄介だから、どうしても都に入るにあたって海側を通りたいのです。近江をひかえるあの地は都へ軍を送る時の足がかりになる土地なのです。西の人間からすれば、鈴鹿を押さえれば東国への牽制とともに、都に存在感を示せるわけですから、それは鈴鹿の治安が悪くなるわけですよね。


「こんにちは!ここでははじめまして。加藤団蔵、しし座B型、特攻会計委員長です!」

「はじめまして、めい様。六年は組学級委員長の黒木庄左エ門です。」

団「なあ、庄ちゃん。管理人はどうしたんだ?」

庄「ああ。あの管理人なら、僕達にこの場を任せて隠れたよ。自分の知識不足が恥ずかしいってさ。」

団「はあ!?せっかくめい様が訪ねてくださったのにか?」

庄「仕方ないよ。院政期と幕末に愛情を注ぎすぎて、気付けば日本史が苦手になっていた人だから。特に戦国時代は落乱にはまるまで、友達が語っているのを聞いた程度の知識だったらしい。」

団「なのに、今回の話書いたのか…」

庄「みたいだね。」

団「まあ、管理人はほっとくとして、鈴鹿山の盗賊ってのは有名だな。平安時代に伊勢神宮への勅使が襲われたってのが始めだったような。あと、箱根に次ぐ難所。近江側は楽なんだけど、伊勢側はきついんだよなー。」

庄「鈴鹿関は不破関、愛発関に並ぶ三関のうちの一つで、大宝元年(701年)に創設されて延暦8年(789年)に廃止になったんだ。この時は鈴鹿ではなく、伊賀路を通るのが普通だったんだけどね。」

団「え?じゃあ鈴鹿山はいつ通るようになったんだ?」

庄「仁和2年(886年)の斎宮・繁子内親王の伊勢群行が契機となって開設されたのが始まりだよ。その後、斎宮の群行は鈴鹿山を通る習わしとなり、畿内と東国を結ぶ交通の要所となっていったんだ。」

団「さすが庄ちゃん、物知り!」

庄「いや。これは管理人が学部の1年生の時に、泣きながら斎宮群行について調べた経験が役立ってるだけだよ。やっぱり勉強はしておくものだね。」

団「庄ちゃん…」


〉旅人が鈴鹿を安全に通り抜ける時にすがるのは、諸大名ではなく鈴鹿御前というのも納得です。不安定な場所だからこそ、庇護を求めて鈴鹿御前への信仰が集まるのかと思います。それは五角や太川(!)諸大名にとって喉から手が出るほど欲しいものですね。お話を読んでいる途中で思わずにやりとする名前がたくさん出てきました。ああ、あそこね、みたいな…。


団「そもそも、田村神社と片山神社というのは、鈴鹿山を通る旅人を守る道祖神的なものなんだ。山を無事に通れるように祈り、無事に通れたら御礼を言うという感じ。現代では田村神社ばかり目立っていて、片山神社は半分廃れているからわかりにくいけどな。」

庄「ちなみに、鈴ノ巫女というのは本当にいたようだよ。巫女学の権威である中山太郎先生の本にも紹介されているけど、実際の活動等までは書かれていない。けど、片山神社に属していたというのは確かで、おそらく鈴鹿御前の伝承と鏡岩を管理していたと言われている。」


〉それから、今回のデフォルト名前が『静』だったこと、月下で余興に舞う姿、亡き静御前を偲ぶようで、とても美しかったです。――そういえば、桜とは対象的なオダマキの花が静御前なら、昔を今になすよしがあったのではないでしょうか。少なくとも彼女が悲しみと屈辱に耐えて舞い歌ったおかげで、二人の恋はおそらくこの先も繰り返し語り継がれていくのですから。


この考え、とても素敵だと思います。義経のお相手が北の方より静御前の方が有名となっているのは、やはり静御前の舞が大きいと思います。
鎮魂、にはなりませんが、この先も二人の幸せだった「昔」が語り継がれることを願うばかりです。

団「お、管理人復活した。ちなみに、デフォルト名を静にしたのは、鈴鹿御前のモデルが静御前という説があるというのを管理人が発見して、そのテンションのままつけたんだって。平泉に『鈴ヶ神社』ってのがあって、そこは静御前を祀る最北端で、静が訛ってこうなったらしい。」

静御前も薙刀の名手ですからね〜。言語の問題が絡むとまた面倒で、私個人としましては今後の研究成果に期待します。ということで、私はまた隠れます…。


〉春の夜の夢のような静さんを、夢へ帰さず現に引き戻した団蔵くんに拍手です。田村将軍が迎えに行く最後のシーンは、いつか団蔵にいただいた『駒』の歌が連想されました。団蔵くんならば、静さんを幸せにしてくれると信じています。


庄「『春の夜の夢のような静さんを、夢へ帰さず現に引き戻した』という表現、管理人がすごく気にいったそうです。照れ屋なので直接言えないそうですが、とても感謝しております。この一言に、管理人が言いたかったことが集約されており、読み取ってくださっためい様に大変感激しております。もとはと言えば、わかりにくい文章を書くうちの管理人が悪いのですが。」

団「『駒』の歌って何?」

庄「うちの管理人が、以前めい様の所の団蔵に和歌を贈ったらしい。

駒並めて いざ見にゆかむ 故里は 雪とのみこそ 花は散るらめ

『古今集』の春歌なんだけど、意味としては、『馬を連れてさあ見に行こう。ふるさとは雪とばかりに桜の花は散っているだろう。』という感じかな。」

団「そんな歌贈ってたんだ。」

庄「最後のシーンはこの歌をモチーフにしていたらしいよ。」

団「えっ!?知らなかった…。」

庄「そもそも今回の話も、めい様とあちらの団蔵に贈るために書いたものだからね。」

団「めい様、そして向こうの団蔵。俺、静を幸せにします!」


〉あと、小ネタで金吾。


庄「団蔵、金吾連れてきたよ。」

金「こんにちは。急に連れてこられて戸惑っております、皆本金吾です。」

団「これを見ろ。」

金「なになに…

〉鈴鹿を越えるたびに『本当に美人だなあ』とか『あ、今日は鈴鹿の巫女はいないのかな』とか、思っていらっしゃったに違いないですね…。

ってえええええ!?」

団「どうなんだ?」

金「どうなんだって、何が?」

団「静のこと、好きなのか?」

金「は?違う違う!」

団「正直に言っていいんだぜ?俺、怒んないから。」

金「いやいや。袋槍に柄を付けて、殺る気満々じゃんか。」

団「これは、お返事が終わったら鍛錬に行こうと思ってるだけだから気にしなくていいって。」

金「気になる気になる。庄左エ門!」

庄「ニコニコニコニコ」

金「……」

喜「もう!二人共、あんまり金吾をいじめないでくれるかな!あ、こんにちは。金吾と同室の山村喜三太でーす。」

庄「喜三太は金吾の味方なんだね。」

喜「味方も何も、金吾が静ちゃんと初めて会った時一緒に居たからね〜。」

団「なに!?」

喜「団蔵はさ、例えば急になめくじさんが美女になったら、その美女を好きになる?」

団「なめくじだと思ったら無理だろうなー。けど、これが金吾と関係あるのか?」

庄「なるほど。」

団・金「「わかりません」」

団「そういや、静って自分が美人って自覚ないんだよな。」

金「あんなに美人なのにか?」

団「あんなに美人なのにだ。って、やっぱり美人だと思ってるんじゃねーか!」

金「美人に美人だと思って何が悪い!」

庄「二人共、めい様の前だよ。さて、静の無自覚話は番外編をご覧ください。」

喜「庄ちゃん、相変わらずだよね〜。」


〉あと、決戦の際の平太のあの台詞…彼も立派な武闘派に成長していらっしゃって、なによりです!彼は戦闘になると肝が据わる人だと信じています。能の演目の『田村』で使用する面は武将面『平太』。ああ、彼に出番があれば良いなあと思って読んでいたら、ちゃんと出番があって嬉しかったです!


団「正直、スイッチ入った平太とはやり合いたくない…。」

金「私もだ…。」

庄「は組の特攻隊長が何弱音吐いてるの。」

団「本当よく食満先輩と喧嘩出来てたなって、平太が戦う所見てたら改めて潮江先輩を尊敬するんだよな。」

喜「はにゃ〜。確かに平太は食満先輩そっくりな武闘派だけど、団蔵も金吾も平太と互角に戦えるんじゃないの?」

団「互角って…大変なんだぞ?」

金「その後、乱太郎に怒られるのも含めるんだぞ?」


〉最後に、昔の縁をたぐりよせた団蔵くんと静さんの絆に、降るような桜とひっそりとゆれるオダマキの花を見ました。


最後まで素敵な言葉ありがとうございました。
今、心から書いて良かったと思っています。
これに味をしめて、他のも書いてみたいです。

では、またサイトの方にもお邪魔させていただきます。
本当にありがとうございました。

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