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□過去拍手「秋風の忘れ物」
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「…空、高いなぁ…。」



青く晴れ渡った空に気持ちのいい風が通りすぎた。
五番隊の屋根から見た秋の空はとても高くて、秋って空が高く見えるんだっけ?とかぼんやり考えた。

もっと他に考えなきゃいけないことがあるのに。
これは現実逃避かも。
考えて考えて考えすぎて、こんがらがってきちゃって自分でも何が何やら分かんなくなってきた。
だって今まで考えたこともなかったんだもん。




























あたしは昨日、幼馴染みに告白された。


久しぶりに二人でご飯を食べにいって、お酒も少し飲んで、その帰り道だった。
五番隊の隊舎前まで送ってくれた日番谷君にさよならを言って背を向けた時だった。
背中に「好きだ」の声をかけられた。

一度目のそれはよく理解できなくて、もう一度振り向いて尋ねようと彼を見たら真剣な顔の日番谷君がいた。何が、と問うより早く「お前が好きだ」と重ねられた。

とても熱い眼差しで真直ぐにあたしを見てた。彼のあんな瞳初めてみた。


一夜明けた今も彼の瞳がちらついてちらついて。きっと脳裏に焼き付けられたんだ。
おかげであれからずっとあたしは落ち着かない。






 
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