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□過去拍手「隣りの花火」
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突然、再開された花火。



「…わー、すごい……。」



いきなり始まった連弾に息を飲んで空を見上げた。

日番谷がそうっとわからないように隣りの雛森を見てみれば瞬きもせずに夜空の華に見とれている。



暗がりの中でもわかる。彼女の大きな瞳に鮮やかな花火が映っているのが。
キラキラして……。
打ち上げられた花火なんかかなわないくらいにキラキラして……。


花火なんかそっちのけで雛森の横顔ばかり眺めていた。














やがて短い夏の夜の饗宴は終わりを告げる。
思う存分、花火を楽しんだ雛森は、さっきの気まずい空気なんて忘れたかのように、熱くほてった息を深くついた。


「綺麗だったねー、花火。」


日番谷に無邪気な笑顔が向けられる。


「あ、ああ……。」


「来年もいっしょに見に来ようね。」



………来年も……。



「そのまた来年も来よう?」



…………そのまた来年も…。


「そのまた来年の来年もー!」


「いつまで言う気だよ。」



「ずっと毎年見に来ようね!」


「……ああ。」



ずっと毎年二人で…。
ずっとずっといつまでも二人で……。



まだ微かに硝煙の残る空気の中、雛森は帰るために背を向けた。

小さく細い雛森の背中に日番谷が声をかける。


「雛森………。」


「んー?」



「俺達、絶対、毎年いっしょにここで花火を見よう……!」


それが今の日番谷の精一杯。

その言葉が意味するところに………、



「うん…!約束だね!」







気付いてる………?





 
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