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□ああ素晴らしきかな
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一連の戦いが終わった後、抜けた三番隊の隊首席を埋めるため、あいつが戻ってきた。
「おばんどす〜。」
「あ、市丸隊長こんにちは!」
市丸ギン。元三番隊隊長にして謀反人。
藍染に敗れ瀕死の重症を追ったこいつは息絶える寸前のところを十二番隊に回収され奇跡的に回復した。謀反人にして護廷隊に復帰するなどと本来ならあり得ないが藍染討伐目的であったこと、空いた三番隊隊長の座を埋められる者が他にいなかったことを理由に特例として市丸の護廷隊復帰が許された。
俺は如何なる理由があろうとも、こいつを許す気には未だなれない。こいつも雛森を傷つけた一端を担ったのだと思うとどうしても心を許せないのだ。
「雛森ちゃん、ちょっと胸大きなった?」
「やだ!市丸隊長ったら!」
不在中の松本に代わって仕事を手伝ってくれている雛森に市丸が軽いオッサン発言。エロ上司とその扱いに慣れたOLのやり取りに俺は青筋を立てた。
「なんでお前はあっさり許してんだよ!」
「?だって…市丸隊長がセクハラ発言するから…。」
ここは十番隊執務室。
本日非番の雛森が俺の仕事を手伝ってくれるのはいいのだが、遊びに来た市丸がやたら雛森に絡んでくる。松本がいないから暇を持て余しているんだろうが人の恋人に気安く話しかけるなと怒鳴りたい。
せっかく、せっかく二人きりのラブタイムだったのにぶち壊されて俺は…俺は………。
「隊長さん、乱菊は?」
「知るか!朝から書類配りに行ったきり戻って来てねーよ!」
因みに現在午後二時半。
きっと松本は虚圏までも書類配りに行ってるんだろう。
苛立ちをぶつけるように伝えてやると市丸は険しい表情で俺に言った。細い目がキリリと吊り上がる
「まさか身重の乱菊をこき使ってへんやろね?」
「はぁ!?」
「乱菊の身体は今が一番大事な時期なんや。つわりもひどいし…もしお腹の子に障ったら全部隊長さんのせいやで?」
思いっきり俺を責める口調に堪忍袋の緒が切れた。
「うるっせええええ!!」