短編1
□impulse
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夢にまでみた雛森の返事。
やべ、めちゃめちゃやべぇ。
嬉しさのあまり心臓が高鳴る。
上目使いで俺を見る雛森にトドメ刺されちまいそうだ。
「桃。続きしたいんだけど。」
「………へ?」
「今から俺の部屋に来るか?」
「え!ちょっと!つつつ、……続きって!?」
この寒いなか紅い顔して汗かいてるお前を見てたら、おかしくて笑ってしまった。
「な!なに笑ってんの!?あたしのことからかってるんでしょ!」
抗議してくるその仕草も表情も、全てが可愛くてますますにやついてしまう。
雛森の着物に付いた砂ぼこりを軽くはたいて担ぎあげた。
「っひゃあああ!ちょ、…シロちゃん?」
「俺はいつも大まじめだ。行くぞ。」
「行く、って……。」
「言ったろ?俺の部屋。暫く帰れると思うなよ。」
「えーーー!」
「暴れるな。瞬歩で行くからしっかり捕まってろ。」
後から気が変わったなんてたまんねーからな。今は好きに行動するぜ。
長年の片思いが一気に報われてしまった。
肩にかかる重みにたまらない程の幸せを感じながら、あと少し本能のままに身をゆだねることにした。
終わり