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□20141217days「12月17日ー1月17日のdepression」
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あー…昨日は恥ずかしかった……。まさか日番谷君がやってくるなんて思いもしなかった。自分の部屋だからって油断してたよあたし…まさかよりによってあのタイミングで日番谷君が来るなんて……。




















昨日は勇音さん乱菊さんの二人に頼んで買ってきてもらった現世服の試着をしていた。新年年明けに皆で日帰り温泉へ行く計画が持ち上がり、あたしはそれに着ていく服一式を彼女達に託したのだ。新しい服は欲しいけれど、とても買いにいける時間がなくて買い物上手でセンスのいい彼女達を頼ったのだ。

オフホワイトのシャツにブラウンのベルトして、デニムのショートパンツに編み上げブーツ。乱菊さんのコーディネートの完璧さにあたしは唸った。可愛い、素敵、を繰り返すあたしに彼女はにっこり笑って「これも似合うと思って」と言って花柄ピンクのブラショーツセットをピラリ。これにはあたしも戸惑った。

似合うって言われてもサイズとか何で知ってるんだろう?いやドンピシャでしたけども。温泉でこれを装着したあたしに何を求めてるのかな?


疑心暗鬼になったあたしはきっと表情にも表れていたんだろう。乱菊さんはけらけら笑って「いつもおとなしいのばっか着けてるから」と綺麗なウインクをくれた。


あたしはそれならありがたく、と彼女に感謝の言葉を述べて早速部屋で試着しかけたのだけど、まさか日番谷君にその場面を見られるとは。


いや、別に日番谷君ならいいんだよ?だってほら昔はいっしょに暮らしてたんだし?一つの布団で寝たりもしたしお風呂も二人で入ってたし。

















そう思うけど、もう随分とそんなことはしていない。日番谷君は変わらないかも知れないけれど(←失礼)これでもあたしは少しずつ成長している。ああああんなパンツ一丁な下着姿、日番谷君に見られたかと思うと顔から火が出そう。なんでちゃんと鍵をかけなかったのあたし!
いや、逆の発想よ!寧ろ見られたのが日番谷君で良かったと思うのよ桃!
もしこれが阿散井君や檜佐木さんだったらあたしは当分部屋から出られなかった、平子隊長だったら死神やめてお婆ちゃんの所へ帰ってる。そう、日番谷君で良かった良かった。家族みたいなもんだし弟みたいなもんだし恥ずかしくない、へっちゃらへっちゃら。

























って思えなあぁああああああい!!


「あぁーーーーーーーー!!!」


やっぱり堪えられなくなってあたしは自分の机にガンガン頭を打ちつけた。



「も、桃……何しとんねん…。」


「…………………。」




………………今、仕事中だった。










 
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