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□20130117days「あけましておめでとう」
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1、瞳で語ろう(原作日雛恋人設定)




毎年恒例の護廷の新年会は各隊ごとに行われるものと隊長副隊長が集まるものとに分けられる。
親しい友人や家族との新年会ももちろんあるけれど必ず行われる年行事といえばやはりこれだろう。

そして今日は隊長副隊長が集まっての新年会、総隊長の挨拶から始まって約1時間が経過した。宴の場はそこそこに乱れつつある。



雛森は浮竹と朽木白哉に挟まれて飲んでいる日番谷に目をやった。にこりともせず膳に並んだ料理に手をつけている。隣りにいる浮竹はかなり上機嫌で饒舌気味なのに雛森の彼氏様は相変わらずどんな場所でも羽目を外すということがない。 少し口元を緩めるだけでもその場の空気が和らいだりするのに…と思うが彼にとっては苦手分野なのだから仕方ない。


いつも通りの日番谷を雛森がしばらく見ていたら偶然パチンと二人の目があった。まさかここで手を振るわけにもいかず雛森はにっこり笑ってこの場を楽しんでいることを伝えたけれど、もちろん彼が同じように笑顔で返してくれるわけはない。でも雛森に向けた視線はちゃんと頷いていたから別にいいのだ。
会場の真ん中辺りでは早くも出来上がった檜佐木と射場達が声高に騒いでいる。その中に吉良や阿散井もいて、あの顔ぶれが立ち上がって踊りだすのも時間の問題だ。声が大きくなり始めた連中に日番谷の目が険しく動いたのも雛森はしっかり見た。



「雛森殿はこの正月は帰られたのですか?」


よそ見をする雛森に隣りの席のルキアが尋ねる。雛森の空いた杯にお銚子を向けてくれていたから慌てて杯を取ってそれを受けた。


「うん、ここの仕事が休みになった次の日に早々と帰っちゃった。」


「日番谷隊長もご一緒に?」


「日番谷君は用事があって31日の夜にね。」


「隊長さんだもんねぇ。偶には早く休みたいだろうね。」


「もう本人も諦めてるみたい。」



向かいに座る勇音がため息混じりに気の毒そうな顔をした。雛森もその言葉に苦笑いをするしかない。
勇音の肩越しに見える日番谷は自分を見て笑う雛森に、話のネタにされていることをわかっているのか、何だか睨まれているようだ。雛森はわざと明後日の方向を見て杯に口をつけた。



「朽木さんも、どうぞ。」


「あ、いえ、私はもう……。」



雛森があまり杯の進まないルキアにお銚子を傾けたが彼女はこれ以上はいいと丁寧に断った。雛森も大して飲める口ではないから無理強いはしない。勇音とて楽しむ程度の酒で、雛森達の席にはまだ一本目のお銚子が空くことなく立っていた。3人とも専ら飲むより食べる方が好きだから、その内酒よりも御茶を飲んでおしゃべりに花を咲かせることとなる。

女3人の楽しい会話の合間に日番谷と偶に目があうと彼は満足げな顔で目配せをした。
新年会の日程が知らされた時、宴の場で酒に弱い雛森が酔いつぶれてしまうことを心配していた日番谷はおとなしく飲んでいる雛森に安心したのだろう。
二人の関係が変わっても保護者面は変わらない恋人だが、たぶん自分達はこういう間柄がしっくりくるのだ。
1日の朝に今年も宜しくと互いに頭を下げたけれど、もう一度改めてよろしくと雛森は心の中で日番谷に言った。ずっとずっと同じ気持ちで新しい年を二人で迎えていけたらと願わずにはいられない。


「おぅ、なんだよお前らやけに大人しいじゃねぇか。」


わいわいやっていた檜佐木達副隊長仲間だがその中の一人、阿散井が端っこの席で談笑するルキアを見つけた。
いい具合に酔いの回った彼の太い声は日番谷達の方にまで当然届く。


「普通に食事をしておるだけだ。うるさいからお前はあっちへいけ。」


「俺はうるさくねぇ!!」


「それがうるさい。」


阿散井がルキアに適当にあしらわれている間、さらにその集団は雛森と勇音にも親睦を計ろうとして、


「雛森さん元気?今年は僕の隊と雛森さんの隊といっぱい合同練習しようね〜。」


「う、うん…そうだね吉良君…。」


「きゃあ!檜佐木さんがお椀をひっくり返したぁ!」


「うわ、何かここ濡れてる!」


「あ!ダメですよ、今そこお汁を零して…。」


「ちょっと檜佐木さん!しっかり立ってくださいよ!」


「だからお前がくるとうるさいと言うのだ…。」


「俺のせいか!?」















たちの悪い酔っ払い達は二本の斬魄刀により制裁を受けた。



 
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