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□130000h感謝小説「二匹おおかみ」
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*日雛未来パロ







昔から日番谷君は無口で口下手な人だった。人付き合いも不器用で誰とでも仲良くとかできない人。けれどふとした仕草に隠れた優しさが滲む、そういう所があたしは大好きなのだけれど、人との要らぬ衝突が多いのは事実だ。
雑誌に載ってる占いコーナーでも日番谷君の性格はよく当たっているな、なんてうっかり頷きそうになっちゃって、あたしは慌てて頭を振ったりなんかする。


過去、日番谷君が視てもらった占いの結果は惨たんたるものだった。
手相占いでは孤独を愛する人と言われ姓名判断じゃあ人間関係に苦労すると出て、去年のクリスマスにみてもらった人相占いでは将来孤独死もありえるなんて告げられた。さすがにこれには黙っていられなくて彼の横で怪しい占い師に向かって喚きちらした。直ぐにあたしの口を日番谷君が押さえ無理やり占い館の外に連れ出されたのだけれど気持ちは直ぐには治まらなかった。


だってひどいじゃない。
そりゃあ日番谷君は愛嬌ある性格じゃないけどすごく優しいし思いやりもあって繊細な人なんだから。孤独死だなんてそんなのあたしが絶対にさせないよ。何がなんでも日番谷君より長生きして立派な彼のお墓を建ててやる。

鼻息荒くあたしが言うと日番谷君は苦笑いした。
あたしに真っ直ぐな横顔を見せて、人生において本当に理解しあえる人間が一人でもいればいいさとあたしより若いくせに達観したようなことを言う。
まあ…小さい頃は髪の色や瞳の色とか外見でかなり苦労したからその言葉もわかるんだけど、やっぱりあたしとしては沢山の人に日番谷君の良さを知ってほしいよ。
あたしはずっとそう思ってる。































ずっと長雨続きだったけれどやっと今朝雲間からお日様が覗いた。ここんところ外出できなかったあたしは休日だからとのんびり寝ている日番谷君を起こし、散歩でもと誘った。

よく二人で歩く近所の散歩コースを手を繋いでゆっくり歩く。まだ所々、道に残る水溜まりを避けながら最近会った友達のことや仕事のこと、行ってみたいお店の話やまだ何も予定がたてられていない冬の旅行の相談も。

少し脱線しがちなあたしの話を日番谷君は優しい目をして聞いてくれる。低くなった声で笑い、車道側にバランスを崩すあたしを引っ張ってくれる。

少し人通りの多い通りに出てしばらく歩くとこの辺では有名な縁結びの神社があって、あたしと日番谷君はそこで休憩をとろうということになった。








 
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