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□100000h感謝「お返事ください」
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*日番谷さん
とりあえずあいつの背は越した。
声も少し低くなった。
中身もまあ昔よりか成長したと思う。
そんな自分の変化を知ってから、俺の中にある一つの思いは急激に膨らんだ。
「隊長、これ五番隊から回ってきた書類です。」
副官の松本が腰に手をあてぴらりと一枚の紙を俺に見せた。マニキュアが塗られた指が薄っぺらい紙をつまんでいるのを引っこ抜くように俺はひったくった。
「………早く雛森と仲直りしてくださいよぉ。もうかれこれ一か月も来てないじゃないですか。」
「喧嘩………しているわけじゃねぇ。」
「ほんとに?」
遠慮のない疑いのまなざしを向けてくる松本へ睨みを返してやったけど、隊長の威厳とか迫力とかは込められなかった。逆に勘の鋭い副官に見抜かれはしないかと、ちょっぴりびくびくしてたりして。
俺は手元の書類に集中しているフリをした。
「本当だ。」
「じゃあどうして雛森来ないんですか?」
「あいつも今忙しいんだよ。」
「へー、最近五番隊の隊士達は定時に帰れてるって小耳に挟みましたけど?」
「………。」
くそぉ、嫌な目で見てきやがる。
まさかあの現場を見られたとか?いやいやまさかそんなはずはない。
あの時あの場所にいたのは確かに俺達だけだった。