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□150000h感謝小説「立ち入り禁止」
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*学パロ日雛+一
体育館での式が終わり、担任と級友に別れを告げて俺は学び舎をあとにするべく教室を出た。
廊下には泣いてるやつやら騒いでいるやつ、解放感からかヘンな雄叫びをあげるやつなど卒業の表し方は様々だ。けれど俺にはそんな余裕は無い。
今から一世一代の大告白をするのだ。幼なじみで後輩なあいつに俺の彼女になってくれと言ってやる。今まで悪い虫がつかないように頑張ってきたのに卒業した途端、他の男に奪われてたまるか。何も知らずにのほほんと過ごしてきたあいつに俺の長年に渡る数々の努力の集大成をぶちかましてやる。
下駄箱に続く階段を鼻息荒く降りると、待ち構えていたのか、いきなり女共に寄って集られ、もみくちゃにされた。
あちこち引っ張られ、ボタンをくれだとか髪の毛をくださいなどと、ゾンビさながら凄まじい形相の奴らに正直怖くなったりして。
寄るな離せと怒鳴ってもかしましい軍勢には効かない。とりあえず卒業証書だけは死守しなければと体をよじったら制服が嫌な音をたて、片袖が行方不明になった。
女がか弱い生き物だと言ってるのはどこのどいつだ?こんなハイエナに似た猛獣をまかり間違ってもか弱いだなんて思えない、たった一人を除いては。