Der Mondhimme U

□ その時まで・・・
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俺の愛した女は、とても美しい人だった。
容姿が美しいのは当然で、性格はさっぱり、人想いの優しい人。
俺は彼女が大好きだった、愛していた。だから俺は・・・

「結婚してくれ!」

と言った、その時のことを良く覚えている。
言った時、いや、瞬間彼女は・・・笑った。
俺はその反応を見た時、絶望した。

『ぁぁ、駄目なんだ・・・』

そう思った。
だけど、最後の望みをかけてもう一度問うと、彼女は笑顔で

「・・・うんん、全然良い、嬉しいよ」

と言ってくれた。
嬉しかった、死んでも、いや、死んだら結婚出来ないから嫌だけど・・・
それ程嬉しかった。



だけど、彼女は俺が殺した。
愛していた本当に・・・でも!
あの時はああするしかなかったンだ!俺だって嫌だった、この手で殺すなんて・・・
だけど、彼女が願ったンだ、【どうせ死ぬなら俺の手にかかって死にたい】と、だから俺は・・・

彼女を手にかけた後、俺は泣いた、悲しさと悔しさで、泣いて泣いて彼女に詫びた。


『マリア・・・マリア・・・すまない、俺が、俺が・・・』と言うと彼女は微笑んで・・・

『ま、また会いましょう?』そう言ってくれた。



ぁぁ、会おう・・・待ってるから。
俺はお前が帰ってくるまで、待ってるから、ずっとずっと・・・


だから、絶対帰ってこいよ、マリア。
じゃあ、その時まで・・・さようなら。

 

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